アンソロジー
朝宮運河氏が編んだちくま文庫のホラー・アンソロジーで、こちらはタイトルのごとく『家』を題材にした物件ホラー傑作選なのであります。前回読んだ「宿で死ぬ」より身近な題材だから、よりゾゾれる作品が多いのでは?と期待して読んでみた。収録作は以下の…
案外こういった名作読んでいないんだよね。プーシキンの「スペードの女王」とかディケンズの「信号手」とか、他のアンソロジーでも取り上げられているから、いくらでも読む機会あったけど読んでないんだよねー。で、ここに収録されているのが 貸家 リットン …
恋愛アンソロジーというテーマだけど、なかなかバラエティに富んだ内容に驚くこと請け合い。ラインナップは以下のとおり。 「桜の森の満開の下」 坂口安吾 「武蔵丸」 車谷長吉 「花のお遍路」 野坂昭如 「とかげ」 よしもとばなな 「山桑」 伊藤比呂美 「少…
こんなアンソロジーが出てたなんて、知らなかったー。ま、さほどインパクトの残る作品はないけれども、既読の作品もすっかり忘れていたので初読のような感覚で読んだ。ていうか、それくらいの作品だから印象に残らなかったんだろうけど。収録作は以下のとお…
「ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス」 でギリシャのSFというものに初めて触れ、驚いた。やはり主流的な吸引力や派手さ、または痛快さや感動とは程遠い印象で、でもそんなバルカン半島に位置する小さな、でも雄大な歴史を持つこの国でささやかに花咲いたSFの…
お二人のサイン本なんだよねー。この二人のサインが並んで書かれることってそうそうないだろうから、貴重だよね。ま、それはさておき。本書にはこういった海外文学の目利きとして誰もが認めるお二人が選んだ未だ日本国内ではさほど知られていない作家のちょ…
攻めてるよね、竹書房。一皮剥けたっていうか、方向転換ていうか。決してメジャーにはならないんだろうけど、この新生 竹書房を歓迎している人もきっと多いはず。ギリシャSFなんて、日本語で読める日がくるなんて思ってましたか、みなさん! というわけで、…
収録作は以下のとおり。 「一般文壇と探偵小説」江戸川乱歩 「指紋」佐藤春夫 「開化の殺人」芥川龍之介 「刑事の家」里見弴 「肉店」中村吉蔵 「別筵」久米正雄 「Nの水死」田山花袋 「叔母さん」正宗白鳥」 「「指紋」の頃」佐藤春夫 解説 北村薫 副題に「…
うんこ漏らしたことあるかって?そりゃ、ありますよ。オナラするつもりが、下痢っててでちゃったとか、いままでの人生で何回もありますよ。でも、正常の状態で便意をもよおして、トイレに間に合わず漏らしちゃったってのはないなー。でも、そういう危機に陥…
勝手に宝島社文庫だからって、なんか軽い感じに思っていて、実際読んでみてなかなかの読み応えに驚いております。収録作は以下のとおり。 南條範夫「願人坊主家康」 山本周五郎「御馬印拝借」 滝口康彦「決死の伊賀越え――忍者頭目服部半蔵」 火坂雅志「馬上…
なんとなく講談社タイガって、ラノベのレーベルなんだと認識していたけど、違うんだね。 普段あまり手出さないレーベルなんだけど、作家陣に興味引かれて読んじゃいました。収録作は以下のとおり。 「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ 「表面張力」凪良ゆう 「こ…
もう二十年以上前に刊行された本だから、存在自体が消えてしまっているよね。収録作は以下のとおり。 「魔術師」 芥川龍之介 「超自然におけるラヴクラフト」 朝松健 「わな」 H・S・ホワイトヘッド 「奇術師」 土岐到 「忍者明智十兵衛」 山田風太郎 「さ…
というわけで、伊坂幸太郎編のアンソロジー二冊目なのであります。こちらのラインナップは以下のとおり。 眉村卓「賭けの天才」 井伏鱒二「休憩時間」 谷川俊太郎「コカコーラ・レッスン」 町田康「工夫の減さん」 泡坂妻夫「煙の殺意」 佐藤哲也『Plan B』…
こういうアンソロジーが大好きなのです。伊坂氏の作品は最初期の「重力ピエロ」を読んで、まったく合わず、「チルドレン」は、すごく良かったけど、あまり積極的に読まない作家さんなんだけど(でも、映画の「フィッシュストーリー」は、すっごくおもしろかっ…
めずらしいよね、イスラエルSFだって。馴染みがないものだから、やっぱり身構えちゃう。で、最初の「オレンジ畑の香り」を読んで、う~んてなる。なんかとっつきにくいし、視覚に訴えるインパクトもなければ、ストーリーテリングのおもしろさも薄い。でも…
名探偵登場! (講談社文庫) 作者:筒井 康隆,町田 康,津村 記久子,木内 昇,藤野 可織,片岡 義男,青木 淳悟,海猫沢 めろん,辻 真先,谷崎 由依,稲葉 真弓,長野 まゆみ,松浦 寿輝 発売日: 2016/04/15 メディア: 文庫 このアンソロジーにミステリのおもしろさを求…
事件の予兆-文芸ミステリ短篇集 (中公文庫 ち 8-8) 発売日: 2020/08/21 メディア: 文庫 文芸ミステリということで、ミステリ畑の作家ではない方々のミステリ寄りの短編アンソロジー。収録作は以下のとおり。 「驟雨」 井上靖 「春の夜の出来事」 大岡昇平 「…
リテラリーってなんだ?と検索したら、主に読み書きの能力とかいうのね。ま、ゴシックという定義にてらして編者が判断して、お眼鏡にかなった作品が集められているというわけ。副題にもあるとおり文学としてのゴシック作品集なのだ。 で、いまさらだけどゴシ…
北村薫のミステリー館 (新潮文庫) メディア: 文庫 あまり趣味が合わないのを承知で読んでしまうんだうよね。巻末の宮部みゆきとの各作品についての対談にしても、なんだかピンとこないなぁと思いながら読んでるんだけど、なんなのかな、この違和感は。彼らの…
絶望書店: 夢をあきらめた9人が出会った物語 作者:山田太一,藤子・F・不二雄,BUMP OF CHICKEN,ベートーヴェン,連城三紀彦,ナサニエル・ホーソン,ダーチャ・マライーニ,ハインリヒ・マン,豊福晋,クォン・ヨソン 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/…
中国怪談集 (河出文庫) 作者: 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/03/09 メディア: 文庫 河出文庫からこの国名を冠した怪談集が出ていたのは知っていた。日本はもとより、イギリス、アメリカ、ロシア、ラテンアメリカそして中国。以前刊行されてい…
けっこう耐性は強いほうなので、なんでもこいって感じなのだが、こうみえて子どもの頃はなかなかの怖がりだった。その頃は本を読む習慣はなかったのでもっぱらテレビばっかりみていたのだが、その頃にであったトラウマが今でも記憶に残っている。心底恐ろし…
背徳についての七篇-黒い炎 (中公文庫) 作者:円地 文子,永井 荷風,小島 信夫,河野 多恵子,幸田 文,久生 十蘭 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2018/08/21 メディア: 文庫 こんなおもしろいアンソロジーが出てるなんて、まったく知らなくて。本書が第…
アンソロジーにはテーマがある。編者のこだわりによって一冊にまとめられる。たいていそれはジャンルに特定されていてミステリ、SF、ホラーといった具合に編者がそのジャンルの中でこれは!と思い入れのある作品を編んでゆくのである。そのジャンルの中で…
これね、結構長い時間かけて読んだんですよ。おそらく5年くらいかかってるんじゃないかな。短編集だから、たまに電車に乗って出かけたりするときにお供にしながら読んだんだけど、これがなかなかいい効果だしていて、5年も経ったら先に読んだ作品のことな…
この手のアンソロジーは大好物で、たいがいあれこれ読んできてるのだが、本書は最初期待していたものとは違った感触だったので、すこし残念だった。ま、こまかい説明は省くとして、本書は洋邦のファーストコンタクト物を集めたアンソロジーでありまして、割…
〈奇妙な味〉がいったいどういうものなのかと誰かにきかれたら、ぼくはそれを明確に答える術を知らない。でも、自分の中では漠然と〈奇妙な味〉というテイストがもたらす感覚を認識していて、たとえて言うなら、匂いで嗅ぎ分けているようなものなのだ。でも…
ここに収録されている作品は60~70年代のものばかり。かなり古いよね。でも、これが読んでみるとまったく古さを感じさせず、むしろ刺激さえ受けちゃうような作品ばかり。収録作は以下のとおり。 「ボロゴーヴはミムジイ」ルイス・バジェット 「子どもの…
この文春文庫の『アンソロジー人間の情景』シリーズは、お買い得なのですよ。けっして傑作短編ばかりということはないが、こういう本でしか出会うことのない作品を読めるってところが非常にお得なのだ。 本書に収録されている作品は以下のとおり。 Ⅰ・ちょっ…
おそまきながら読んでみたが、これは前回のロマンティック時間SF傑作選の「時の娘」と比べると全体の印象としては見劣りする。しかしここに収録されている作品群も非常に貴重な作品ばかり。 だけど、今回は『ファンタスティック時間SF傑作選』と副題にも…