読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

アンソロジー

日本SF作家クラブ編「恐怖とSF」

こういうアンソロジーゾクゾクする。収録作は以下の通り。 「#」 梨 「タタリ・エクスペリメント」 柴田勝家 「始まりと終わりのない生き物」 カリベユウキ 「幻 孔」 池澤春菜 「あなたも痛みを」 菅 浩江 「ロトカ = ヴォルテラの獣」 坂永雄一 「戦場番…

三津田信三 編「怪異十三」

これ単行本出たときから気になっていたんだよね。三津田氏の本は一、二冊しか読んだことないけど、こういうアンソロジー的なのは絶対はずせません。収録作は以下のとおり。 【国内編】 「死神」 南部修太郎 「異妖篇 二 寺町の竹藪」 岡本綺堂 「竈の中の顔…

有栖川有栖、北村薫、宮部みゆき「選んで、語って、読書会2」

はい、というわけでその2でございます。まずは収録作ね。 「ニ◯◯ニ年十月十七日(木)」 宮沢章夫(北) 「パニック」 安部公房(有) 「檜山騒動」 海音寺潮五郎(宮) 「低空飛行」 多島斗志之(有) 「麻畑の一夜」 岡本綺堂(宮) 「革鞄の怪」 泉 鏡花…

有栖川有栖、北村薫、宮部みゆき「選んで、語って、読書会1」

アンソロジー大好き。ちくま文庫のときは北村薫と宮部みゆきのお二方だったが、今回は有栖川有栖氏も参加しておられます。やはり、こういう企画って、それぞれ思惑あるんだろうけど、基本はこんなおもしろい作品あるんだよってスタンスだと思うのだが、今回…

中央公論新社編「教科書名短篇 - 人間の情景」

学生の頃、教科書に載っている短い小説を読むのが好きだった。授業とぜんぜん関係ない短編をこっそり読んで、またそういった短編に限ってなんだか心に残っていたりする。 横光利一の「蠅」も宮沢賢治の「なめとこ山の熊」もそういう状況で読んだ。なのに、同…

朝宮運河 編 「家が呼ぶ --物件ホラー傑作選」

朝宮運河氏が編んだちくま文庫のホラー・アンソロジーで、こちらはタイトルのごとく『家』を題材にした物件ホラー傑作選なのであります。前回読んだ「宿で死ぬ」より身近な題材だから、よりゾゾれる作品が多いのでは?と期待して読んでみた。収録作は以下の…

岡本綺堂 編訳 「世界怪談名作集 信号手・貸家ほか五篇: 信号手ほか」

案外こういった名作読んでいないんだよね。プーシキンの「スペードの女王」とかディケンズの「信号手」とか、他のアンソロジーでも取り上げられているから、いくらでも読む機会あったけど読んでないんだよねー。で、ここに収録されているのが 貸家 リットン …

川上弘美編「感じて。息づかいを。」

恋愛アンソロジーというテーマだけど、なかなかバラエティに富んだ内容に驚くこと請け合い。ラインナップは以下のとおり。 「桜の森の満開の下」 坂口安吾 「武蔵丸」 車谷長吉 「花のお遍路」 野坂昭如 「とかげ」 よしもとばなな 「山桑」 伊藤比呂美 「少…

朝宮運河編「宿で死ぬ ――旅泊ホラー傑作選」

こんなアンソロジーが出てたなんて、知らなかったー。ま、さほどインパクトの残る作品はないけれども、既読の作品もすっかり忘れていたので初読のような感覚で読んだ。ていうか、それくらいの作品だから印象に残らなかったんだろうけど。収録作は以下のとお…

ギリシャ・ミステリ傑作選 「無益な殺人未遂への想像上の反響」

「ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス」 でギリシャのSFというものに初めて触れ、驚いた。やはり主流的な吸引力や派手さ、または痛快さや感動とは程遠い印象で、でもそんなバルカン半島に位置する小さな、でも雄大な歴史を持つこの国でささやかに花咲いたSFの…

岸本佐知子、柴田元幸編訳「アホウドリの迷信 現代英語圏異色短篇コレクション」

お二人のサイン本なんだよねー。この二人のサインが並んで書かれることってそうそうないだろうから、貴重だよね。ま、それはさておき。本書にはこういった海外文学の目利きとして誰もが認めるお二人が選んだ未だ日本国内ではさほど知られていない作家のちょ…

「ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス」

攻めてるよね、竹書房。一皮剥けたっていうか、方向転換ていうか。決してメジャーにはならないんだろうけど、この新生 竹書房を歓迎している人もきっと多いはず。ギリシャSFなんて、日本語で読める日がくるなんて思ってましたか、みなさん! というわけで、…

「開化の殺人-大正文豪ミステリ事始」

収録作は以下のとおり。 「一般文壇と探偵小説」江戸川乱歩 「指紋」佐藤春夫 「開化の殺人」芥川龍之介 「刑事の家」里見弴 「肉店」中村吉蔵 「別筵」久米正雄 「Nの水死」田山花袋 「叔母さん」正宗白鳥」 「「指紋」の頃」佐藤春夫 解説 北村薫 副題に「…

頭木弘樹編「うんこ文学 ――漏らす悲しみを知っている人のための17の物語」

うんこ漏らしたことあるかって?そりゃ、ありますよ。オナラするつもりが、下痢っててでちゃったとか、いままでの人生で何回もありますよ。でも、正常の状態で便意をもよおして、トイレに間に合わず漏らしちゃったってのはないなー。でも、そういう危機に陥…

傑作! 文豪たちの『徳川家康』短編小説

勝手に宝島社文庫だからって、なんか軽い感じに思っていて、実際読んでみてなかなかの読み応えに驚いております。収録作は以下のとおり。 南條範夫「願人坊主家康」 山本周五郎「御馬印拝借」 滝口康彦「決死の伊賀越え――忍者頭目服部半蔵」 火坂雅志「馬上…

「非日常の謎 ミステリアンソロジー」

なんとなく講談社タイガって、ラノベのレーベルなんだと認識していたけど、違うんだね。 普段あまり手出さないレーベルなんだけど、作家陣に興味引かれて読んじゃいました。収録作は以下のとおり。 「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ 「表面張力」凪良ゆう 「こ…

井上雅彦編「魔術師―異形アンソロジー タロット・ボックス〈2〉」

もう二十年以上前に刊行された本だから、存在自体が消えてしまっているよね。収録作は以下のとおり。 「魔術師」 芥川龍之介 「超自然におけるラヴクラフト」 朝松健 「わな」 H・S・ホワイトヘッド 「奇術師」 土岐到 「忍者明智十兵衛」 山田風太郎 「さ…

伊坂幸太郎編「小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇」

というわけで、伊坂幸太郎編のアンソロジー二冊目なのであります。こちらのラインナップは以下のとおり。 眉村卓「賭けの天才」 井伏鱒二「休憩時間」 谷川俊太郎「コカコーラ・レッスン」 町田康「工夫の減さん」 泡坂妻夫「煙の殺意」 佐藤哲也『Plan B』…

伊坂幸太郎編「小説の惑星 オーシャンラズベリー篇」

こういうアンソロジーが大好きなのです。伊坂氏の作品は最初期の「重力ピエロ」を読んで、まったく合わず、「チルドレン」は、すごく良かったけど、あまり積極的に読まない作家さんなんだけど(でも、映画の「フィッシュストーリー」は、すっごくおもしろかっ…

「シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選」

めずらしいよね、イスラエルSFだって。馴染みがないものだから、やっぱり身構えちゃう。で、最初の「オレンジ畑の香り」を読んで、う~んてなる。なんかとっつきにくいし、視覚に訴えるインパクトもなければ、ストーリーテリングのおもしろさも薄い。でも…

「名探偵登場!」

名探偵登場! (講談社文庫) 作者:筒井 康隆,町田 康,津村 記久子,木内 昇,藤野 可織,片岡 義男,青木 淳悟,海猫沢 めろん,辻 真先,谷崎 由依,稲葉 真弓,長野 まゆみ,松浦 寿輝 発売日: 2016/04/15 メディア: 文庫 このアンソロジーにミステリのおもしろさを求…

中央公論新社「事件の予兆 文芸ミステリ短篇集」

事件の予兆-文芸ミステリ短篇集 (中公文庫 ち 8-8) 発売日: 2020/08/21 メディア: 文庫 文芸ミステリということで、ミステリ畑の作家ではない方々のミステリ寄りの短編アンソロジー。収録作は以下のとおり。 「驟雨」 井上靖 「春の夜の出来事」 大岡昇平 「…

高原英理 編「リテラリーゴシック・イン・ジャパン 文学的ゴシック作品選」

リテラリーってなんだ?と検索したら、主に読み書きの能力とかいうのね。ま、ゴシックという定義にてらして編者が判断して、お眼鏡にかなった作品が集められているというわけ。副題にもあるとおり文学としてのゴシック作品集なのだ。 で、いまさらだけどゴシ…

北村薫 編 「北村薫のミステリー館」

北村薫のミステリー館 (新潮文庫) メディア: 文庫 あまり趣味が合わないのを承知で読んでしまうんだうよね。巻末の宮部みゆきとの各作品についての対談にしても、なんだかピンとこないなぁと思いながら読んでるんだけど、なんなのかな、この違和感は。彼らの…

頭木弘樹 編「絶望書店 夢をあきらめた9人が出会った物語」

絶望書店: 夢をあきらめた9人が出会った物語 作者:山田太一,藤子・F・不二雄,BUMP OF CHICKEN,ベートーヴェン,連城三紀彦,ナサニエル・ホーソン,ダーチャ・マライーニ,ハインリヒ・マン,豊福晋,クォン・ヨソン 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/…

「中国怪談集」

中国怪談集 (河出文庫) 作者: 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/03/09 メディア: 文庫 河出文庫からこの国名を冠した怪談集が出ていたのは知っていた。日本はもとより、イギリス、アメリカ、ロシア、ラテンアメリカそして中国。以前刊行されてい…

頭木弘樹編「トラウマ文学館」

けっこう耐性は強いほうなので、なんでもこいって感じなのだが、こうみえて子どもの頃はなかなかの怖がりだった。その頃は本を読む習慣はなかったのでもっぱらテレビばっかりみていたのだが、その頃にであったトラウマが今でも記憶に残っている。心底恐ろし…

「背徳についての七篇-黒い炎」

背徳についての七篇-黒い炎 (中公文庫) 作者:円地 文子,永井 荷風,小島 信夫,河野 多恵子,幸田 文,久生 十蘭 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2018/08/21 メディア: 文庫 こんなおもしろいアンソロジーが出てるなんて、まったく知らなくて。本書が第…

頭木弘樹 編「絶望図書館」

アンソロジーにはテーマがある。編者のこだわりによって一冊にまとめられる。たいていそれはジャンルに特定されていてミステリ、SF、ホラーといった具合に編者がそのジャンルの中でこれは!と思い入れのある作品を編んでゆくのである。そのジャンルの中で…

西崎憲 編訳「怪奇小説日和  黄金時代傑作選」

これね、結構長い時間かけて読んだんですよ。おそらく5年くらいかかってるんじゃないかな。短編集だから、たまに電車に乗って出かけたりするときにお供にしながら読んだんだけど、これがなかなかいい効果だしていて、5年も経ったら先に読んだ作品のことな…