読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

澤村伊智「予言の島」

やりましたね。やってくれましたね。気づかなんだ。てか、これはわからんわ。でも、楽しい。こういうの大好き。真相がわかってから読み返してみたら、なるほど引っかかっていたところにそういう意味があったのかー。 瀬戸内海に浮かぶ霧久井島。そこで起こる…

頭木弘樹編「トラウマ文学館」

けっこう耐性は強いほうなので、なんでもこいって感じなのだが、こうみえて子どもの頃はなかなかの怖がりだった。その頃は本を読む習慣はなかったのでもっぱらテレビばっかりみていたのだが、その頃にであったトラウマが今でも記憶に残っている。心底恐ろし…

木下古栗「グローバライズ」

グローバライズ: GLOBARISE (河出文庫) 作者:木下 古栗 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/03/06 メディア: 文庫 抵抗力に自信がないわけではないし、好き嫌いはあまりないほうだと自負している。本書を読む前はなんてことないんだろうと思って、…

フランシス・ハーディング「カッコーの歌」

カッコーの歌 作者:フランシス・ハーディング 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2019/01/21 メディア: 単行本 祈る気持ちで読み進めた。どうか、どうか、ぽくの気持ちをへし折らないで下さい、悲しい結末に直面させないで下さい。その時のぼくは、心の底…

「背徳についての七篇-黒い炎」

背徳についての七篇-黒い炎 (中公文庫) 作者:円地 文子,永井 荷風,小島 信夫,河野 多恵子,幸田 文,久生 十蘭 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2018/08/21 メディア: 文庫 こんなおもしろいアンソロジーが出てるなんて、まったく知らなくて。本書が第…