読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2016年 年間ベスト発表!

今年は、何冊読んだとか書きませんよ。圧倒的に読書量が減ってるからね。もう惨憺たるものなのだ。最近は、遅読にも磨きがかかってきて、一冊読むのに一カ月かかっちゃうなんてこともザラにあったりするから、どうしようもないのである。 では年間ベストにい…

綿矢りさ「しょうがの味は熱い」

綿矢りさの小説の書きだしが好きだ。本書の場合はこんな感じ 整頓せずにつめ込んできた憂鬱が扉の留め金の弱っている戸棚からなだれ落ちてくるのは、きまって夕方だ。 こういう描写は好き。ぼくには思いつかない言い回しだ。「勝手にふるえてろ」の書きだし…

文藝春秋編 「こんな人たち アンソロジー人間の情景4」

この文春文庫の『アンソロジー人間の情景』シリーズは、お買い得なのですよ。けっして傑作短編ばかりということはないが、こういう本でしか出会うことのない作品を読めるってところが非常にお得なのだ。 本書に収録されている作品は以下のとおり。 Ⅰ・ちょっ…