読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2010年 年間ベスト発表!

とうとうこの時がやってまいりました。そうです、年間ベストなのです。今年は上下巻の作品も一冊ず つカウントして75冊。いやあ、少ないですね。これではいけませんね。昨年は105冊だったから、 大幅に冊数が減ってしまいました。でも、言い訳ではない…

深見真「ロマンス、バイオレンス&ストロベリー・リパブリック」

久しぶりのラノベだが、これがなかなかしっかりした作品だった。剣と魔法のファンタジー世界をベースに特殊部隊アクションのハードさとボーイ・ミーツ・ガールのときめきをプラスした新しい感触の物語に仕上がっているのだ。 舞台はおそらく地球。だが、まっ…

佐川光晴「牛を屠(ほふ)る」

以前、服部文祥の狩猟サバイバルを読んで、自分で食べるものを自分で殺し捌くことへの意義を知った。普通、人は肉を食べるとき、すでに精製されてきれいに商品化された肉を買う。だが、それはもとは一体の生きた動物だったのである。ぼくたちはそれが生きた…

キース・トムスン「ぼくを忘れたスパイ(上下)」

このブログでも何度もいってるが、ぼくはスパイ物や冒険小説が苦手なのである。戦記物なんかもちょっと無理だから、軍事物もあまり食指が動かない。でも、そんなぼくが本書は最初から最後までスイスイ読めてしまったのだから、これはそういうジャンルが苦手…

おいぼれチン・・・・・・。

「最初にしくじるのは尾を振る犬だけ」 男は人差指を天に向けながらのたまった。だぶついた吊りズボンに青いストライプの白襟シャツ。恰好からしてよくある宗教の勧誘などではないようだが、胡散臭いことに変わりはない。 浅黒い顔の下半分は針金のような髭…

牧野修+田中啓文「郭公の盤」

この二人の本は読んだことがなかったので本作のどのパートがどちらの受け持ちなのかなんてのはよくわからなかったが、壮大な伝奇物として最後まで飽きることなく愉しめた。 タイトルにもあるとおり本書の要は『郭公の盤』なのである。古事記の時代から存在す…

スチュアート・ネヴィル「ベルファストの12人の亡霊」

北アイルランド紛争の当時IRAの兵士として神格化されていたゲリー・フィーガンは、1998年の和平合意以後酒におぼれる日々を送っていた。彼は眠れぬ苦悩の日々を酒で紛らわせていたのである。 それというのも、紛争当時に彼の手によって葬られた12人…

近況報告

どうも最近読書の循環が停滞してきたようで、この半月ばかりまったく読書記事を書けてない状態なのであります。身の回りが忙しくなってきたので、こういったカオス状態に陥っておるわけですがそれでも毎日少しづつ読書は続けております。決して読書離れにな…

スープが冷める前に

歩いても歩いても目的地に着かないジレンマに嫌気がさしてきたころ、まるでカーテンか何かをくぐりぬ けたように一歩で景色が変わり、その場所に到着した。 そこは燃える園だった。すべてが炎に包まれ黒々とした煙が渦巻き灼熱の空気が顔面に吹きつけてきた…

古本購入記  2010年11月

古本購入記事の前にちょっと報告。 一言メッセージでも書きましたが、11月21日の日曜に出雲大社に行ってまいりました。どうして行く ことになったのかは、長くなるので端折りますが、車の日帰りで行ったので、これがなかなか大変だった んです。当日は朝…