なんとなく講談社タイガって、ラノベのレーベルなんだと認識していたけど、違うんだね。
普段あまり手出さないレーベルなんだけど、作家陣に興味引かれて読んじゃいました。収録作は以下のとおり。
「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ
「表面張力」凪良ゆう
「これは運命でない」城平京
「どっち?」木元哉他
「成人式とタイムカプセル」阿津川辰海
「この世界には間違いが七つある」芦沢央
本のタイトルにもあるとおり、非日常をテーマに皆が腕に縒りをかけて趣向を凝らしている。
非日常といっても、その切り取り方はさまざまで、フライト中の飛行機の中にはじまり、ラストの芦沢作品なんか、そうきたかー!!て感じの異色作だったし、なかなか楽しめた。いってみれば、ミステリ的状況なのがすでに非日常なんだけどね。
特に印象に残ったのは凪良ゆうと城平京かな。前者は、あまりにも円環が閉じまくっているのがご都合主義的なんだけど、視点の変化と構成の妙で、ちょっとしたハラハラ感があっておもしろかった。
後者は、シリーズ物のあの人がでてきて、お得な感じ。扱っている謎もこの人らしく、あれこれ考える派生の美学みたいなのがあって独特。ラストに、あの『彼女』も遠目だけど登場するしね。
というわけで、薄い本だしすぐ読めちゃうけど、豪華な執筆陣と共に楽しめる一冊なのであります。