読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

櫛木理宇「死刑にいたる病」

久しぶりにサイコパスが登場するミステリ読みました。映画化されたから、観る前に読んどこうと思って。この小説、おもしろいのは連続殺人鬼が誰で、どういった犯行を重ねてとかいう展開じゃないところ。だって、稀代の殺人鬼 榛村大和は、すでに捕まって拘置…

城戸喜由「暗黒残酷監獄」

なかなか煽情的なタイトルでしょ?でも、内容は、このタイトルから期待する印象とは、ちと違う。少なくともぼくはそうだった。主人公は高校生の椿太郎。人妻との不倫をこよなく愛し、ちょっと常識とはかけ離れた思考回路をもつ男で、ここが好悪の分水嶺にな…

伊坂幸太郎編「小説の惑星 ノーザンブルーベリー篇」

というわけで、伊坂幸太郎編のアンソロジー二冊目なのであります。こちらのラインナップは以下のとおり。 眉村卓「賭けの天才」 井伏鱒二「休憩時間」 谷川俊太郎「コカコーラ・レッスン」 町田康「工夫の減さん」 泡坂妻夫「煙の殺意」 佐藤哲也『Plan B』…

伊坂幸太郎編「小説の惑星 オーシャンラズベリー篇」

こういうアンソロジーが大好きなのです。伊坂氏の作品は最初期の「重力ピエロ」を読んで、まったく合わず、「チルドレン」は、すごく良かったけど、あまり積極的に読まない作家さんなんだけど(でも、映画の「フィッシュストーリー」は、すっごくおもしろかっ…