2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧
本書には20もの短篇が収録されている。さすが西崎憲、ディープなセレクトに唸ってしまう。恥ずかしながら、ぼくはここに紹介されている作家の半分以上は未知だった。こういうアンソロジーの愉しみはそういった未知の作家の作品に出会えるところで、こうや…
チェイスが本書によってデビューしたのは戦前のこと。ハメットによってハードボイルドが生みだされ、丁度チャンドラーが「大いなる眠り」を発表した頃だ。よって、チェイスは英国初のハードボイルド作家となった。本書はそういうなんとも古臭い本なのである…
急病になった娘を見舞うためにバグダードに小旅行に出たジョーン・スカダモアはその帰路、トルコ鉄道の終着駅であるテル・アブ・ハミドで足止めを食ってしまう。天候不順のため列車が到着しないのだ。しかたなく彼女はそこの宿泊所で列車が到着するまで逗留…
前回の「短篇五芒星」の感想で少し不満だと書いたのだが、今回は大変満足いたしました。だって本書には読み応えのある短篇が7篇も収録されているのだ。タイトルは以下のとおり。 「やさしナリン」 「添木添太郎」 「すっとこどっこいしょ」 「ンポ先輩」 「…
切り裂きジャックの事件が起こってから、もう百年以上たっている。そんなに昔の事件なのに、いまだにそのミステリは人々を惹きつけてやまない。ぼくも、この事件のことは知っていたが、詳細まではわかっていなかった。そんなぼくでも本書を読了していっぱし…
この本って最近読まれてないの?こんなに凄い本てそうそうないよ?何してるの、みんな読まなきゃ。これって日本が誇る傑作伝奇小説なのだ。あの半村良の「石の血脈」に匹敵する面白さなのだ。ってか、最近じゃ「石の血脈」も読まれてないか?伝奇小説自体も…
本書と先に刊行された「1922」の元本である「Full Dark,No Stars」のコンセプトが「不愉快で手厳しい」物語だとキング自身があとがきの中で洩らしているが、今回の二編もさほど厭な気分は味わえなかった。しかし、それは置いといてやはりキング、ストー…