読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ウラジーミル・ナボコフ「ロリータ」

いわずとしれた『ロリータ』なのである。しかし本書を読んでない方は、ロリータという名称だけで、成人男子が少女を食いものにする異常性愛者の物語だと誤解しているのではないか?確かに、本書のメインテーマはそのとおりの異常な性愛だ。中年男が十二歳の…

スティーヴン・キング「ドクター・スリープ(上下)」

善と悪の闘いの構図を全面に押しだしたこの物語は、かつてのキングのはちゃめちゃ感がすっかりなくなった非常に優等生的な結末を迎える。前回の「11/22/63」も感動的なラストを迎え、もうお腹いっぱいで読了したわけなのだが、本書があの「シャイニ…