読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ホリー・ジャクソン「受験生は謎解きに向かない」

短いから遅読のぼくでもすぐ読めてしまった。本屋でも、先の三部作の印象があるので五、六百ページくらいの本を探していたから、本書の目の前をスルーしちゃって見つけられなかったしね。 ま、とにかく本書を読めたことをうれしく思う。なんせこのミステリ、…

岡本綺堂 編訳 「世界怪談名作集 信号手・貸家ほか五篇: 信号手ほか」

案外こういった名作読んでいないんだよね。プーシキンの「スペードの女王」とかディケンズの「信号手」とか、他のアンソロジーでも取り上げられているから、いくらでも読む機会あったけど読んでないんだよねー。で、ここに収録されているのが 貸家 リットン …

ウィリアム・フォークナー「ポータブル・フォークナー」

フォークナーって、アメリカ南部を描いた作家で、世界文学全集には必ず入っている文豪ていう大雑把な認識しかなかったんだけど、彼って当初は世間からあまり評価されていなかったそうで、本書はそんな彼の不当な評価を払拭しようと批評家、編集者として有名…

泉朝樹「見える子ちゃん 」

ある日突然、この世のものではない存在が見えるようになった四谷みこちゃん。しかも、その見えてる存在がなかなかエグくて気色悪くておぞましくて怖くて、ちょっと無理的なビジュアルばかりだから、たまったものじゃない。彼女は咄嗟にその存在が見えている…

荒山徹「大東亜忍法帖」完全版

ようやく、ようやくこの作品が完全版として復活した!どこかが必ずちゃんと読めるように刊行してくれるはずと信じてよかった。なんとなれば、本書は上巻が2016年に刊行され、その三ヶ月後に下巻が刊行される予定だったのが、突然出版社からの結末の改変要求…