読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ブリリアント・サンシャイン・ロザンナ

昨日の終わりが永遠に続くかと思われた明るい空の下、ゆっくり歩くぼくの側を小さいビリー・ジーンがかけていった。黒くちぢれた髪、デニムの短パンから伸びたスラッとした足、彼女は今日も生命の輝きに包まれている。大きな木にぶら下がったジョニー・Bが笑…

コニー・ウィリス「航路(上下)」

長い間(およそ十年!)寝かせてあった本書をとうとう読んでしまった。小説巧者のコニー・ウィリス作品の中でも傑作といわれている本書なのだが、噂に違わずかなりのおもしろさだった。 本書で扱われているのは臨死体験。よく耳にする暗いトンネルを抜けると…

吉村昭「長英逃亡(上下)」

幕末最高の蘭学者といわれ語学の天才でもあった高野長英は、天保十年の蛮社の獄で著書「夢物語」において幕府を批判したかどで投獄される。五年後、長英は雑役夫をてなづけ、牢屋敷に火をつけさせる。当時、火災によって牢内にいる囚人に被害が及ぶと判断さ…

「私が選ぶ国書刊行会の3冊」国書刊行会40周年記念小冊子について

国書刊行会の40周年記念として、小冊子が配布されている。夏の終わり頃に配布されたので、もう残り少なくなっているのだろうが、ようやく手にいれたので記事にしようと思う。 この小冊子、非売品なのが申し訳ないくらいしっかりした造りで、小冊子といえど…

9月の読書メーター

2012年9月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:2993ページ ナイス数:100ナイス http://book.akahoshitakuya.com/u/26117/matome?invite_id=26117 ■名短篇ほりだしもの (ちくま文庫) 石川桂郎が素晴らしい。 読了日:9月30日 著者: http://b…