2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧
皆川博子の新作長編ミステリが読めるとは思わなかった。本当にうれしい驚きだ。ツイッターでもかなり話題になっていたのですごく期待して読んだのだが、これが期待に違わぬ素晴らしい出来栄えのミステリだったのである。 舞台は18世紀のロンドン。外科医ダ…
これだけゾンビ好きでゾンビ小説はかなり読んでいるのだが、他のメディアのゾンビ物にはあまり接していない。バイオハザードなどのゲームやあまたある有名無名のゾンビ映画などもほとんど観たことがない。まあ、子どもがいるからというのもあるが、どうもぼ…
こんな夢をみた。 土の匂いのする若い男がやってきて、道路に穴を掘ってくれという。ぼくはそんな理不尽な要求を、すんなり受け入れて、一生懸命穴を掘る。知らない間に右腕がつるはし兼スコップになっていて、それが結構使い勝手がいいので、見る間に大きな…
暗黒短編撰ということで、本書には台泰市を舞台にした4編の短編が収録されている。収録作は以下のとおり。 ・「ふくろおんな」 ・「ぶひぶひ♥だらだら」 ・「人でなしと恋」 ・「Last Day Monster」 それぞれ暗黒といわれるだけあって、かなり生理的にキツ…
こんな夢をみた。 ぼくは誰かに連れられて、人っ子ひとりいない街の大通りを歩いている。手を引く人物が誰なのかは、その時点ではわからない。しかしぼくに不安はなく、気持ちはすごく満ち足りている。 叔父さん?それともお父さん?見上げるぼくの目線から…
今回はホラーの王道の幽霊屋敷物である。いわくありげな洋館で日夜ポルターガイスト現象に悩まされる一家を救うべくSPR(渋谷サイキックリサーチ)の一行とおなじみの準メンバー達が原因究明に乗り出す。ラップ音、動く家具、地震のような激しい振動。い…
こんな夢をみた。 やたら首の長い男がいて、ぼくの隣りを歩いている。でも、ほんとうにその男の首は異常に長く、ぼくと並んで会話してる男の身体は二メートルほど後方にある。男の首は身体から前に突き出すような形で長く伸ばされているから、こんな変なこと…
ドイツの高名な刑事事件弁護士である著者による「犯罪」を扱った短篇集である。11篇の短篇が収録されているにも関わらず、200ページ強というコンパクトな内容で、1篇がおよそ10~30ページとすこぶる読みやすい。だがその内容はいろんな意味でかな…
いつもおいしくいただいている『肉』。ぼくたちは食材としてきれいに切って並べてパックに入れられた『肉』を食べている。それは元は生きた動物だったのだ。しかし、そのことを理解していても生きて動いている動物たちが、食材としての『肉』になるまでの過…
本書は体裁からして欺瞞に溢れている。19世紀のロンドンを舞台にした復讐譚。それが手記の形で発見され、ケンブリッジ大学の教授が一冊の本にまとめたのが本書というのである。本読みとしては、その体裁を見ただけで『ああ、これは信用できない語り手の話…
天正伊賀の乱において、織田の軍勢によって滅ぼされた伊賀者の残党が、逃げた先で立ち寄った山奥の荒れ寺は、一度その中に入ると決して出ることのかなわない魔境だった。その寺には五体の妖怪が棲みついており、彼らの策略によって寺に閉じ込められた七人の…