ここで語られる謎は、人類が大きく変化する真実だ。この謎が解き明かされれば、明日からの未来が劇的に変化する。大上段だ。いったい、どんな真実が待ち構えているのかとドキドキする。
その謎に深く関わっているのがフリーメイソン。よくは知らないが、ぼく的になんとなく秘密結社みたいな深遠な陰謀を内包しているように勝手に解釈している。
また同時に時代を創った偉人たちがそのメンバーだったということも拙い知識で知っていた。要するに、本当の部分は何も知らないということだ。
今回、ラングドン教授はまたいつものごとく巻き込まれる。前2作以上にわけがわからない状況に放り込まれ、途中途中少しは役に立つが、最後までというか最後に至っても事の真相に明晰な解を与えない。なんとなく不承不承了解し、ま、そういうこともあるわな、とポジティブに考え終了する。しかも、この3巻に及ぶ文庫を読み終えて、作中時間はたった一晩の出来事なのだ。
ちょっと、そういう部分が不満点として残った。こちらの労力と釣り合ってないような感覚をもってしまった。しかし、真相が不発みたいに書いているが、そんなことはない。確かに前2作に比べれば見劣りしてしまうが、ここで開陳される真相は、それが本当ならば確かに希望に満ちている。
常々ぼくは、この世界を取り巻く未知のネットワークみたいなものの存在を感じていた。こう書けばオカルトめいて感じるかもしれないが、確かに見えざる力というものは存在する。それは我が身に起こったとしても、偶然として処理されたり、あ、ラッキーといって見過ごされたりしているだけで、実際はそういう力が働いているのではないかと思うのだ。
すごく急いでいる時に信号が全部青だった。失敗したと悔やんでいたことが、結果オーライだった。本当に欲しいと願って引いたクジが当たった。どれも小さなラッキーであり、偶然で処理できる出来事だ。だが、それが本当は見えざる力によってもたらされたものだったとしたら?
本書は、そんな望みが本当かもしれないと思わせてくれる希望に満ちている。






