読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ウィリアム・モール「ハマースミスのうじ虫」

簡単に説明すれば、本書の内容はある犯罪者を追いつめる話なのである。発端は、本書の主人公である青年実業家のキャソン・デューカーがクラブで醜態をさらす銀行の重役ヘンリー・ロッキャーに注目したところからはじまる。このキャソンという男、素人のクセ…

アレクサンダー・レルネット=ホレーニア「両シチリア連隊」

変な小説だ。すっごく変な小説だ。ま、扱われている歴史的事実にまるっきり白紙状態だったこちらの分が悪いのは百も承知だが、それを差っ引いても、なんとも人を食った話なのは間違いない。いや、これは貶してるのではなくて、感嘆してるんだよ。 舞台となっ…