2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧
三人の登場人物がいて、それぞれの辛い人生が描かれる。デザイン会社に勤め、忙しい日々の中で鬱病になってしまう新人社員の田宮由人、その会社の社長で傾いてきた会社の経営を放棄して自殺しようとする中島野乃花、幼くして死んだ姉の代わりに母から執拗な…
このタイトルとサブタイトルをみて専門外だと思った人は、ちょっと待っていただきたい。本書はそう思った人にこそ読んでいただきたい本なのだ。ぼく自身も完全な文系で、数学や物理学は学生時代から本当に苦手だった。だからいまだにSF小説は読む割合が少…
本書を読むまえに抱いていた期待は、見事に砕けちった。曰く『第一級のミステリー並みに面白く』曰く『稀有な小説であり』曰く『優れた小説とは何か、を考えるとき、この「魔術師」は自分にとって、不動の基準の一つでありつづけている』と翻訳家の高見浩氏…
タイトルからもわかるとおり不穏な雰囲気をまとった作品ばかりのアンソロジーということだが、読了してみればさほどでもなかった。居心地の悪い作品といえば、やはり一番に思いつくのがディーノ・ブッツァーティであり、独断で言わせてもらえば彼の右に出る…
シーラッハ短編集の二作目である。今回は前回にもましてコンパクトにまとめてあって、遅読のぼくがほんの数時間で読了するくらいスルスルと読めてしまった。長いものでも30ページ短いのならほんの3、4ページの作品ばかりだから読みやすいことこの上ない…
著者の彩瀬さんは、震災のあったあの日に福島県のJR常磐線新地駅で被災、たまたま乗り合わせた女性と一緒に逃げて一命をとりとめた。きままな一人旅ゆえまわりは見知らぬ人ばかり、震災の混乱の中、情報も錯綜しいったい何が起こっているのか把握もできな…
2012年4月の読書メーター 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2974ページ ナイス数:34ナイス ■地上の飯―皿めぐり航海記 ちょっと取っ付きにくい文章なのだが内容は面白かった。期待してたほど食に関する情報はなかったが、所々挿入される海外文学への言及は…