読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

幡大介「猫間地獄のわらべ歌」

かなりテンコ盛り。そう、時代物なのにミステリがテンコ盛りなのである。それも、オーソドックスな謎ありきだけのミステリではなく、そこにいきなり時代物とミステリの融合に関する登場人物たちの述懐が挿入されたりして、なんともメタな展開があったりする。…

アンドレ・ド・ロルド「ロルドの恐怖劇場」

非常に短い作品ばかり。いたって簡潔で、ストーリーも普通に予想した方向に進んでゆく。読者はそうなるということを信じて読みすすむ。しかし、その予想の結末は必ず血と悲鳴に彩られている。安易といえば安易。しかし、それを稚拙だとは感じない。これはい…