2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧
ほんと久しぶりの飛鳥部作品だ。だって、デビュー作以来なんだもの。ブログ仲間内でキワモノのBミスだなんて皆から絶賛されていて、気になって仕方なかったので読んでみました^^。 この背徳的で凄惨な印象を与えるタイトルとは裏腹に、内容はいたってノー…
うちの実家にある柿の木に実ってる柿を食べてみたら、しゃりしゃりしてて結構甘くなっていた。もう、 そんな季節なのだなぁ。本当の食べ頃は、もう少しあとなのだろうけど、ついこの間まで暑い暑いとい ていたのに、季節の移り変わりってはやいよね。気がつ…
王冠をつけた象は、ヘリンボーンの柄だった。黄色い空に架かる大きな橋は、まるで地球を制圧する巨大 宇宙船のようで、正直ぼくは怖かった。目の前にやってきた象は、器用に片目を瞑ってウィンクしながら 鼻先を丸めてぼくの足元に差し出した。 「これに乗れ…
つか こうへいといえば、やはりぼくは映画が真っ先に思い浮かぶのである。先にもちょっと書いたが、 1985年に製作された「二代目はクリスチャン」は映画館で観たのだが、これがかなりおもしろかった のでいまだに記憶に残っている。ちなみにこの時同時上…
本短編集には十三の短編が収録されている。タイトルは以下の通り。 「火焔樹の下で」 「卵」 「血浴み」 「指」 「黒蝶」 「密室遊戯」 「坩堝」 「サイレント・ナイト」 「魔女」 「緑金譜」 「滝姫」 「ゆびきり」 「鳥少年」 相も変わらず、捩れてクール…
「本が好き!」の献本である。 本書の解説の冒頭で千街昌之が警告している。『本書は、血のつながった家族のあいだで行われた虐待とそれを発端として十数年後まで尾を引く悲劇の物語である。読者には、この地獄から目を背けない覚悟が必要とされる』と。しか…
信号待ちしてると夜が黒いミルクのように溶けだして、怒りに身を任せた太陽がグングン伸び上がってきた。ブンブン手を振り回してナリフリ構わぬ怒りよう。見ていて身の危険を感じるほどだったが、太陽が身につけている大きなヘッドフォンからもれ聞こえるビ…
タッチは軽いが、なかなかヘヴィな読み応えだ。冒頭いきなり牛乳が出てくるので面食らっていると、どうやら女教師の演説なんだなとわかってくる。中学一年の終業式に担任の教師が教壇の上から生徒たちに一席ぶっているのである。でも、その内容がちょっとお…
さて、ちょっと遅くなったが恒例の古本購入記である。先月はいつもよりおとなしくて17冊16作品だ った。 久しぶりに買ったのが京極夏彦「巷説百物語」。この人の本は「狂骨の夢」を読んだっきり一冊も読んで ないのだが、この本は短編集みたいなので読み…
夏だから怪談だということで、車中本として暑い盛りに読んでいたのをようやく読了した。で、記事を書くころには夏も終わりになっちゃったというわけ。去年もこんなことしてたような気がする。ま、とりもなおさず久しぶりの宮部本である。もう何年ぶりだろう…