2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧
正直、一時のキングにはときめいていなかったのだ。そう、丁度「骨の袋」が刊行されたころからだろうか?その後に出た「トム・ゴードンに恋した少女」、「アトランティスのこころ」、「ドリームキャッチャー」、「セル」までまったく読まなくなってしまった…
本書で描かれるエピソードはもちろんフィクションだ。しかし、この物語には数々のモデルがある。カルテルに襲撃され満身創痍になり人工肛門をつけて殺されるまで勇敢にも執務を遂行した女性市長や、見せしめのために顔の皮を剥がされ手足をバラバラに切断さ…
このとてもユニークな造本でバベルの図書館シリーズが刊行されだしたのは、もう三十年ほど昔のことである。その当時、ぼくはまだボルヘスの作品は一つも読んでおらず、かといってまったく知らないというわけでもなかったから、けっこう気になっていたシリー…
そんなに読み込んでいるわけでもないから、あんまりエラそうなことは書けないが、ぼくはこの人のマイアミ・ポリスのシリーズを二冊読んでいて、てっきりあの世界観がこの人の持ち味だと思っていた。ま、あのシリーズにしても「マイアミ・ブルース」は別物で…
前回「デブを捨てに」の感想で、ぼくは平山さん角がとれて最低最悪の部分がうすまっちまってるよと書いた。確かに、あの神がかり的な短編集「独白するユニバーサル横メルカトル」でいきなり浮上してからの幾つかの短編集は最低最悪が当たり前の独立独歩作品…