読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

カーソン・マッカラーズ「マッカラーズ短篇集」

ずっと気になっていた作家だ。なんか、境遇含めてフラナリー・オコナーと混同していたのだが、こうして両方の作品に触れてみると、やはりしっかり区別できるよね。 オコナーは、非情さと過剰な負の光彩に彩られているけど、マッカラーズは非情さの匂いを残し…

背筋「近畿地方のある場所について」

今年の蝉もほとんど死に絶えましたね。 それはさておき、本書は今月末に刊行されるそうなのだが、カクヨムで無料で読めたので、読んでみた。いま流行りのモキュメンタリーの手法で恐怖の輪廻を描いている。 評判になって、書籍化されるだけあって作りはしっ…

BRUTUS(ブルータス) 2023年 9月1日号 No.991 『怖いもの見たさ。』

普段、雑誌って買わないんだよねー。でも、これは買っちゃう。ほとんど丸々一冊ホラーガイドになってるっていうから、じっくり読んでみたいもんね。 で、期待に違わずなかなかおもしろかったわけ。ガイドとして紹介されているのは、映画、ドラマ、アニメ、小…

「十四人の識者が選ぶ 本当に面白いミステリ・ガイド」

本当にミステリというジャンルに疎い人、もしくはこれからこのジャンルに飛び込もうとしている人には大いに得るものがあるかも知れない。 ここで紹介されているのはもう古典となっている海外と国内の作品、これからを担う海外と国内の作品。その両方に挟まれ…

ホリー・ジャクソン「卒業生には向かない真実」

まさか、こんな展開になるなんて!いや、ほんと驚いた。この不穏な感じは前回の「優等生は探偵に向かない」でも垣間見えてたし、ピップがどんどん快活で明るい女の子から遠ざかってゆくのが苦しかったのだが、まさかねー。実際のところ大きな溜め息と共に肯…

スティーヴン・キング「異能機関(上下)」

子供たちを拉致して実験をくり返している秘密組織。くり返される虐待そのものの仕打ち。すべては見えない。でも、読ませる。描かれる子供たちの日常。しかしそれは日常ではない。何かが進行し、裏で、見えないところで何かが蠢いている。天才少年ルーク。物…

ホリー・ジャクソン「優等生は探偵に向かない」

続けて読みました。本書の冒頭で前回の「自由研究には向かない殺人」の犯人がバラされているので基本的には前作から読むことをお勧めします。でも、ウチの奥さんみたいに『ミステリでもなんでもラストを先に知りたい!』という人ならばノープロブレム。好き…