2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧
入手困難だったこのゴーストハントシリーズの第一巻をようやく読むことができた。ずいぶん前にこのシリーズの番外編として講談社X文庫ホワイトハートから出た「悪夢の棲む家」を読んだことがあったのだが、それが結構怖かったので本編も是非読みたいと思っ…
本書に収録されてる短編は先日読んだ大森望編「ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選」 と同じ時間SF物ばかりなのだが、副題が『ロマンティック時間SF傑作選』となっているようにタイムトラベル絡みのロマンスを描いている作品が多く収…
貴子と永遠子(とわこ)。だから「きことわ」なのである。葉山にある別荘でめぐりあったふたり。貴子八歳、永遠子十五歳。思い出の中でひときわ輝くあの夏の日。それから二十五年の歳月が流れ、音信不通だったふたりは別荘の解体を前にふたたびまみえること…
19世紀末にパリのモンマルトルの丘のふもとにある路地裏で礼拝堂を改装して作られた小さな劇場が産声をあげた。その劇場では犯罪や性的倒錯をテーマにした猟奇的作品ばかりが上演され、夜になるとパリっ子たちは恐怖とスリルを求めてこの劇場に詰め掛けた…
歌人である著者が日々暮らす中で出くわすあまりにもおかしい『天使的な言葉』の数々。そこには目からウロコ的な笑いのツボにあふれたものや、鋭敏な言葉の感覚を持つ著者だからこそ気づくことのできるちょっと普通じゃないシチュエーション、偶然によってこ…
まぎれもなく本作は2008年に刊行された現代を舞台にした短編集であるにも関わらず、一読すればわかるとおり、本格推理黄金期の不可能犯罪趣味が横溢する短編集で、かつてカーやチェスタトンの短編に胸躍らせた人にはなかなか懐かしい仕上がりとなってい…
町を貫く目抜き通りをゆくとまず目につくのが大きな球場で、そこでは毎年、軍艦奉行が集って全身の刺青を披露するという全国でもめずらしい催しがあるのだが、今年に限ってそれが花魁のご開帳になったというから、年が変わってからこっち、町の話題はそのこ…
昨年刊行された大森望編の国内SFアンソロジーの中で一番気になったのが本書。本書には12人の作家の作品が収録されている。タイトルは以下のとおり。 「かくも無数の悲鳴」 神林長平 「レンズマンの子供」 小路幸也 「バベルの牢獄」 法月綸太郎 「夕暮に…
負傷して身動きのとれない男性が、気のふれた女によって監禁される話といえば、誰がなんといおうとやはりキングの「ミザリー」が一番有名なのだが、本書はその「ミザリー」よりも二十年も前に書かれた同じシチュエーションのサスペンスミステリーなのである…
ここ二、三日ほんと暖かい日が続いているが、また寒くなるよね?それとも、このまま春になっちゃうの か?いやいやそんなことないでしょ。だって、まだ二月だもの。二月っつったら、ぼくの人生の中では一 年で一番寒い月だったのだ。なのに、なんだこの陽気…
セルビアのベオグラードといわれても、まるっきし何処かわからない。それが旧ユーゴスラビアといわれてもあまりピンとこない。本書はそんな遠い国の作家の本である。 ゾラン・ジフコヴィッチはベオグラード大学の創作文芸の教授。本書には彼の手になる三つの…
本書も角川書店の『読者モニター企画』でいただいた簡易製本。前回の読者モニターで一路晃司「お初の繭」のことを散々けなしてしまったのにもかかわらず、また本書で当選してしまったのである。まさか再び選ばれるとは思ってもみなかったので、正直驚いた。 …