読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

皆川博子の辺境薔薇館: Fragments of Hiroko Minagawa

ぼくが一番最初に読んだ皆川博子作品は「猫舌男爵」だった。玄人筋や、本職の方からは絶大な支持を受けているにも関わらず、まだ一般には知名度の低かった頃、いまから丁度十年前のことだ。 この短編集は、なんだか呑気なタイトルに騙されてあまり手応えのな…

マルク・パストル「悪女」

冷たさに驚いた。国が違うから?日本とスペインの温度差?文化の違い?なんとも形容しがたい感覚だ。 物語は実話を元にしたものだそうで、概要だけみればいったいどれだけ凄いサイコキラーなんだと思ってしまうが、本書を読んだところその方面のサプライズは…