ベトナム戦争が遺した負の遺産。戦争は、理不尽な運命をもたらす。抗えないその大きな力によって生が絶たれることもあるし、不自由ない暮らしから追いたてられ、流浪することになることもある。 著者であるキム・チュイ女史はベトナム戦争の最中ボートピープ…
すべては冒頭の一行『竪琴の全音階を奏でるような、秋であった。』に集約される。長大で、まるで異世界のような馴染みのない場所と時間を切り取りながら、そこに展開する物語は精緻を極め、かろやかに自由に羽ばたく。 しかし、ぼくはそこに旨味を感じない。…
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