2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧
年々読む本の数が減ってきている。数えてみると現時点で53冊、50作品だった。2009年は100冊を越えていたのにいまではその半数にまで減っている。ほんともっともっと読んでいきたいのだが、なかなかうまくいかないものだ。 で、今回の年間ベストな…
以前読んだスパークの短編集「ポートベロー通り」は、まだ新鮮な驚きがあって、たとえばデビュー作の「熾天使とザンベジ河」は登場する本物の熾天使の描写の絶大なインパクトに完全ノックアウトされ、「詩人の家」では『葬式』を買った主人公がそれを列車の…
いまになって式貴士の新刊が読めるとは思わなかった。本書は五所光太郎氏が式貴士生誕80年を記念して、雑誌に掲載されたまま本には収録されていなかった短編や、エッセイ、評論そして表題作の「死人妻」の自筆原稿をまとめて私家版で未収録作品集として刊…
毎回同じような悲惨な事件が頻発し、ワーカホリックな我らが最低下品ジョーク連発親父のフロストが右往左往、東奔西走、粉骨砕身しながらぜいぜいはあはあと事件を追いかける話がどうしてこんなにおもしろいのか? 言うまでもなくそれはひとえにフロスト警部…
ボルヘスの比較的後期の作品をまとめたのが本書なのだが、ここに収録されている作品の半分近くがボルヘスの生まれ育ったブエノスアイレスの無法者を扱ったものだ。場末の安酒場にたむろする人を殺めることなどなんとも思っていないならず者たち。そんな男た…
本書は漱石の著書の中から不思議な話、奇妙な話などをピックアップして独自に編集した本だ。漱石は小説や随筆の中でそういった奇妙で怖いエピソードや幻想的な話を好んで披露している。自身そういった怪談やオカルトが大好物だったそうで、自然そういう話が…
本書は成立過程がおもしろい。作者自身が蒐集した古い写真を元に、そこから物語を紡いでいったというのだ。フタを開けてみれば、物語自体は決して完成度の高いものではなく、一昔前のアニメの原作かとおもうような展開に稚拙な印象を受けるのだが、それでも…