読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

有栖川有栖「女王国の城」

「本が好き!」の献本第11弾。 いきなりだが、ぼくは有栖川有栖氏の作品のあまりよい読者ではない。なぜならば、数多くある氏の作品のほとんどを読んだことがなく、かろうじて読んでいるのがこの江神シリーズだけなのだ。さらに重ねて告白するが、本作でこ…

南條範夫「戦国残酷物語」

南條残酷物を初めて読んだ。噂に違わずなかなかのものだった。本書に収録されているのは ◇ 「復讐鬼」 ◆ 「ハナノキ秘史」 ◇ 「裁きの石牢」 ◆ 「草履の墓碑」 ◇ 「第三の陰武者」 ◆ 「雷神谷の鬼丸」 の六篇である。この内「裁きの石牢」と「雷神谷の鬼丸」…

坂木司「青空の卵」

この本は読む前から少し身構えていた。なぜなら、本書の探偵役が引きこもり青年だということを知っていたからだ。どうもぼくはそういうネガティブなものが好きではないので肌に合うのか心配だった。 予想は的中して、一番目の作品を読み終わった段階でこれは…

大洋潜行

黒蓉船は異様に大きい帆を張り出して、通常の三倍の速度で海原を南下していた。群れの中でもかなりの 泳ぎ手で名の通っているぼくでさえ追いつけないほどの速さだ。 なにをそんなに急いでいるのだろう? いつもなら寄り道してても、ゆっくり追いつけるくらい…

ジャック・リッチー「クライム・マシン」

いまさらながら、ジャック・リッチーを読んでみた。本書が刊行されたのは二年前、いまではもう第三弾が刊行されていて日本でも知名度が定着した感がある。 本書は、日本オリジナル編集の短編集である。三百五十篇にも及ぶ短編を書き、邦訳作品も百二十篇ある…

キャスリン・ハリソン「キス」

翻訳物好きにはたまらない海外文学の秀作を精力的に紹介してくれている新潮のクレスト・ブックスの第一弾が本書とE・F・ハンセン「旅の終わりの音楽」だった。 のちに続く魅力ある作品群の先陣をきって刊行された本書は、しかし扱っているテーマのアンモラ…

D・M・ディヴァイン「悪魔はすぐそこに」

ディヴァインはその昔、まだ現代教養文庫が「ミステリボックス」と銘打って翻訳ミステリを出していた頃に話題になった作家である。ミーハーなぼくは、その当時それだけ評判がいいならと「兄の殺人者」と「五番目のコード」の二冊は購入してあったのだが、例…

消えるメロディ

ある日、突然この世のものとは思われない素晴らしいメロディを思いついた。 ぼくはその素晴らしいメロディを忘れないうちに書きとめておこうと思った。 五線譜にゆっくり確実にメロディをおとしてゆく。音楽に詳しいわけではないので、もしかしたら正確で は…

古本購入記 2007年9月度

ぼくもようやく落ち着いてきたのだろうか。 最近とみに思うのだが、古本屋に行って本を手に取り吟味する時間が増えた。 それは、どういうことかというと衝動買いが極端に減ったということなのだ。もちろん、懐具合が寒いと いうおそろしく現実的な経済的理由…