大きな月が不気味な赤い色をしている
丘にのぼって月を両手でつかもうとしたら
あたり一面に星が降ってきた
光り輝く星たちは
てんでばらばらに飛び散って
跳ねて、飛んで、消えてしまった
遠くから聞こえる車のクラクションに
ぼくの思考がさえぎられる
君の眉はきれいだね
長い指も素敵だ
君は冷たい水をゴクゴクのどを鳴らして飲んだ
なめらかな首筋が赤く輝いて
ぼくは少し恥ずかしくなる
大きな月は赤く輝いて
小さく咳こむ君をてらしだす
虫の音がやみ
立ち上がった君が
大きく伸びをする
こんな夜に
君をおいてはいけない
やさしい気持ちのなかで
ぼくは、悪魔に魂を売ってしまう