読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョセフ・ノックス「トゥルー・クライム・ストーリー」

ドキュメンタリーっぽい作りが、いったいどんなおもしろさを引き出してくれるのかと期待して読み始めた。女子大生が一人失踪し、その関係者たちのインタビューが続いてゆく。まず、この本自体がフェイクとして作られていて、すでに最初からこれが第二版だと…

中原昌也「子猫が読む乱暴者日記」

ぼくは京都に住んでいるのだが、いままで一度も三条商店街に行ったことがなかった。つい先日、ミシュランガイドにも掲載されたという空蝉亭で熟成とんかつを堪能した帰りにブラブラ歩いていて、ここを目にして行ってみたのである。 三条商店街は、西日本最大…

高野秀行「謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉」

毎朝納豆を食べます。お酢とタレを入れて食べます。ものごっつぅ旨いです。本書を読んで、それにさらに拍車がかかって、常時納豆が頭からはなれなくなりました。罪な本です。納豆好きには、たまりません。ぼくもミャンマーの納豆せんべい食べてみたいです。…

米澤穂信「米澤屋書店」

本を読むという行為は孤独な作業だ。でも、そこには計り知れない宇宙がつまっている。紙に印刷してある字を読むという行為がこれだけの喜びと感動と知識を与えてくれるとは! と、今更ながらにおもうのである。本書を読んでいると、読書というフィールドで自…

山田風太郎「くノ一紅騎兵」

久しぶりの忍法帖。角川の忍法帖シリーズはあと「忍法女郎屋戦争」一冊を残すのみとなってしまった。まことに悲しい限り。ぼくはほとんど再読というものをしないのだけど、風太郎の「伊賀忍法帖」「魔界転生」「忍法剣士伝」の三冊だけはしっかりくっきりと…