自選ミステリアンソロジーの記事をアップする際、各作品について現在読むことのできる種本も一緒に掲載しようとしたのですがどうも饒舌に語りすぎたみたいで5000字の字数制限に引っかかってしまってやむなくカットしてしまいました。でもやはり心残りなので追記としてアップしておきたいと思います。
尚、これは言い訳になるのですが、今回選出するにあたって過去に刊行されたアンソロジーからの再録作品がいくつかあります。もともとぼくは辛抱強い方じゃないので一人の作家の作品をじっくり読みすすめるといった落ち着いた読書を得意としませんでした。だから手っ取り早く傑作・秀作が収録されているアンソロジーを読むことが多く、今回選出したミステリ短編もそういったアンソロジーに負うところが多くなってしまいました^^。そこらへんはご容赦していただきたいと思います。
では、各作品の出典いってみましょうか。
◆ ピーター・ラヴゼイ「ジンジャーの終着駅」
本作品は第二短編集「ミス・オイスター・ブラウンの犯罪」に収録されています。でも、短編集の完成度としては第一短編集「煙草屋の密室」に軍配があがってしまいます^^。
◆ 逢坂剛「水中眼鏡の女」
本作品が表題作となっている短編集には他に二編「ペンテジレアの叫び」と「悪魔の耳」という作品が収録されていますが、どちらもひとひねりしたラストやどんでん返しがあって甲乙つけがたいおもしろさです。
◆ 都築道夫「森の石松」
これは「北村薫の本格ミステリ・ライブラリー」で読みました。
◆ ナサニエル・ホーソーン「ヒギンボタム氏の災難」
現在は国書刊行会から出てるボルヘスが編纂した「バベルの図書館」シリーズ第3巻:ナサニエル・ホーソン『人面の大岩』で読むことができます。ぼくが読んだのは紀田順一郎編「謎の物語」です。でも、この本は現在絶版です。
◆ 原田宗典「ポール・ニザンを残して」
短編集「優しくって少しばか」に収録されています。
◆ 山田風太郎「幻妖桐の葉おとし」
ハルキ文庫「幻妖桐の葉おとし」収録。
◆ 都井邦彦「遊びの時間は終わらない」
北村薫編「謎のギャラリー―謎の部屋」で読めます。
◆ 高橋克彦「遠い記憶」
文春文庫「緋い記憶」に収録。
◆ 夢野久作「人の顔」
青空文庫にもあると思うので、思い立ったら今すぐにでも読めると思います。
◆ コナン・ドイル「アベイ荘園」
現在、一番活きのいいのは光文社文庫から日本シャーロック・ホームズ・クラブの会員でもありベイカーストリート・イレギュラーズにも所属している生粋のシャーロキアン日暮雅通氏が新訳で訳出した「シャーロック・ホームズの生還」に「アビィ屋敷」というタイトルで収録されているのが一等賞ではないでしょうか。ぼくが読んだのは早川文庫の大久保康雄訳「シャーロック・ホームズの復活」でした。
というわけで、みなさまよろしくお願いします。