読書の愉楽

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コリン・デクスター「キドリントンから消えた娘」

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 錯綜する推理が迷宮にも似た混乱を呼び、いったい何がどうなってるのか一回読んだくらいでは、よくわからないという困った状況に陥ってしまうのが、本書「キドリントンから消えた娘」です。

 

 何がスゴイといって、本書に登場するモース警部の推理迷宮は、ちょっと他では味わえない錯綜ぶりなんです。

 

 密室とか、人間消失とか、連続殺人とかじゃなく、「失踪」というごく単純なミステリであるにも関わらず、モース警部の推理は二転三転、読者をこれでもかというほど振り回してくれます。

 

 ぼくなんか、読んでるうちに頭から煙が噴き出すんじゃないかと思ってしまいました。本書はこのモース警部シリーズの第二作目でありまして、第一作に「ウッドストック行最終バス」

 

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 というのがあります。ぼく的にはこちらの方が読みやすかった。雰囲気も好ですし、モース警部の推理はまだ錯綜していなかった。彼の天才的な推理力が開花するのは、本書「キドリントンから消えた娘」なんですね。だから、あえて本書をオススメいたします。

 

 ミステリ好きで、まだ本書を読んでなくて、われこそはと思われる方、どうぞ本書を手にとってみてください。