いまさらなのだが、グリムなのである。どうしてこの本を読む気になったのかは説明しなくてもわかるでしょ?だって、表紙の写真見てもらえれば一目瞭然なんだもの^^。
というわけで本書には11編の作品が収録されている。
「ブレーメンの音楽隊」 高村薫
「カエルの王様、そして忠臣ハインリッヒ」 松本侑子
「いばら姫」 阿川佐知子
「ラプンツェル」 大庭みな子
「めっけ鳥」 津島佑子
「兄さんと妹」 松本侑子
「あかずきん」 落合恵子
「つぐみひげの王様」 中沢けい
「ヘンゼルとグレーテル」 大庭みな子
「星の銀貨」 木崎さと子
「青髭」 皆川博子
これに日本で初めて紹介された上田萬年の訳した『おほかみ』とグリム童話とグリム兄弟についてエライ先生方が書かれたエッセイがついている。
あらためてラインナップを見てみると、どうでしょうこの豪華な顔ぶれは。最初は皆川博子目的で検索していたのだが、引っかかってきた本書の顔ぶれを見て、即決で買うことにした。勿論古本だけどね。
で内容はというと、いままで慣れ親しんできたあのグリム童話なのである。各作家の持ち味が強調されているのかというとそうでもなく、いたってオーソドックスな語り口。とりたてて新しい発見があるわけでもなくスラスラと読み進めていったのだが、やはりこの童話は残酷だと思った。子供の虐待や口減らしはあるし、人は簡単に殺されるし、戒めとしての意味もあるのだろうが、読んでいてあまり気持ちのいいものではない。でも、そこが面白味でもあるのだが。
あと、本書には当時の雰囲気を伝える『一枚絵』が各話に添付されているのだが、これがなかなかいい味をだしている。だから本書は読むだけでなく、目で見て楽しい本でもあるのだ。
しかし、あの高村薫が「ブレーメンの音楽隊」を書いていたとはねえ。