読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

再開です

いやあ、驚いた。いきなりパソコンが壊れてしまうもんだから、どうにも身動きとれなくなってしまっ

た。修理しようにも、電源が入らないのだから話にならない。長年使ってたこともあるし、もう買い換え

時だと観念して新しいパソコンを購入した次第。

いままでOSもMeだったが、ようやくXPに昇格。今日からまた順次更新していきたいと思う。

更新できなかった間に吉村達也「なぜ紫の夜明けに」という本を読んだが、これはヒドかった。物語とし

ておもしろくなかったわけではないが、どうも主人公の男にガマンならなかった。この男のやっているこ

とは、男のぼくでさえ納得できなかったくらいだから、この本を女性が読んでいったいどういう感想を持

つのか逆に知りたいくらいだった。なんせ物語の発端からして、それはないだろうという設定なのだ。

高校時代に脅されてある女性をレイプした主人公は、そんな自分が許せなくて自殺を試みるが生還。しか

しそのときのショックにより、自殺した理由を忘れてしまっている。そうして十年の月日がたち、主人公

はレイプした当の本人と再会し、その女性に愛されることになるというのである。

おいおい、なんて話なんだ?これは道徳的にOKなのか?まして主人公の男性は、そのとき同時にあと二

人の女性とも関係をもっているのである。いやはや、これはイカンでしょ?どうにも納得できない。

そういうのを総合して、なんとも後味の悪い感じだったというわけだ。でも、まあ、ぼくはこう見えても

大人だから、最初に読んだ本が後味悪いからといって、それで吉村達也を見限るということはしないつも

りだ。いい本かな?とアンテナがピクピクしたら、他の作品も読むつもりである。

そうそう、今月の新刊で気になる本があったので本屋へ行ったら、期せずして宇月原清明氏の新刊文庫本

を発見してしまった。中公文庫から出た「天王船」という短編集だ。これは「黎明に叛くもの」に付随す

る短編を集めたものらしい。う~ん、いまから読むのが楽しみだ。

ちなみに気になっていた本というのは、早川文庫の今月の新刊であるクレイグ・ラッセル「血まみれの

鷲」という本である。これもなかなかおもしろそうだったが、今回は見送った。でも、ぜひ読んでみたい

と思ってる。

ついでに書いておくと、古本も数冊購入した。まずは、もうすぐ復刊されるという佐々木丸美「雪の断

章」。かなり昔に斉藤由貴主演で映画化されたから、知ってる人も多いと思う。ぼくは観てないのだが。

それと「ミャンマーの柳生一族」で、そのおもしろさに開花しちゃった高野秀行「幻獣ムベンベを追

え」。これは驚いたことに解説を宮部みゆきが書いている。

小森健太朗コミケ殺人事件」は、モース警部ばりの迷宮推理ものだと知って読んでみようと思ったのだ

が、いつになることやら。

前々から探していたマーティン・ミラー「ミルクから逃げろ!」も、ようやく巡りあえた。

宗谷真爾「虐殺された神」もずっと探していたが、ようやく見つけることができた。これは島原の乱の地

獄を描いた作品だ。

小泉喜美子「時の過ぎゆくままに」は短編集みたいだが、あまり見かけないので購入。楽しませてくれれ

ばいいのだけど。

というわけで本日はダラダラと思いつくまま書いてみたが、どうぞみなさん、よろしくお願い致します。