2004年の夏本書は刊行された。
っているということで一部のコアなファンに刊行を待たれた作品だった。
ぼくは、山尾悠子の本を読んだことがない。興味はあるのだが硬質な雰囲気が二の足を踏ませている。
しかし、話題性と本来のミーハ-な性格でもって勢いづいて本書を買ってしまった。
どういうことかというと、発売当時山尾悠子のサイン付き「白い果実」が売りだされたのだ。
思わず買ってしまった^^。
サイン本は持ってなかったので、結構うれしかった。いまでも、この本は大事に扱っている。
とまあ、前置きはこれくらいにして本書の内容である。
最初はとっつきにくく感じたのだが、やがて物語の独特の幻想世界と先行きが気になって、グイグイ引
きこまれしまった。この本の売りでもある山尾悠子の訳もいい味出していて、独特の雰囲気を醸し出し
ている。
残酷さと狂暴性が前面に出されるかと思えば、フッと脱力系のユーモアが顔をのぞかせたりして、また
そのバランスが絶妙に配されているのが結構ツボにはまった。観相学という着眼点がおもしろい。
その人の容貌から性格や知られざる秘密まで見抜くとは、是非ともぼくも会得したい学問だ。プロファ
イリングにも通じるこの学問、身につければさぞかし都合よく世の中を渡り歩けるのではないだろうか
。
。
ところで本書は三部作の第1作目なのだそうだ。もうこの本を読んで二年近い歳月が過ぎてるので細部
があやふやになっているのだが、今年くらいにようやく二作目が刊行されるらしい。危惧していたとお
り二作目は山尾悠子の介在がないみたいだが、それはしょうがないか。
とにかく続きがはやく出版されることを切望する。一作目がこういう終わり方をしてる以上、続きが気
になるのが人情というものだ。どうしても、読みたくなってしまう^^。