読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

イザベル・アジェンデ「精霊たちの家」

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 チリを舞台に、一世紀にも及ぶ家族の歴史と当時の世相を描き、間然するところがない。

 まさに本書は、傑作です。

 本書では、三代にも及ぶ女性の人生が描かれていくのですが、そこはラテンアメリカ、登場人物も、出来事も普通にはいかない。なにせマジックリアリズムのお国ですから。

 物語は数々の魅力的なエピソードに溢れています。ここは天性のストーリーテラーといわれるアジェンデの独壇場、巧みな語りに翻弄され、投げ出され、思わずうれしい悲鳴をあげてしまいます。

 ぼくは、この一作で完全にこの作家の虜になってしまいました。

 これまで、彼女の作品は何作か翻訳出版されているのですが、その中でも本書はダントツのおもしろさ。

 小説を読んできて、ほんとに良かったと思える作品でした。

 あえて詳しいストーリーは紹介いたしません。

 どうぞ知らない状態で、本書に挑んで下さい。

 至福の時間が訪れるということは、保証いたします。