読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2006-05-17から1日間の記事一覧

切りとられた風景

切りとった風景に馴染んで君が笑ってる 細められた目と、白い歯 軽く腕を組んで、自然に笑う君は とても幸せそうだ 舞い落ちる桜の花びら 土塀に囲まれた狭い道 どうしてこんなところで写真を撮ったのだろう どうしても思い出せない やさしい笑顔をみせる君…

ディーノ ブッツァーティ 「待っていたのは」

ブッツァーティの作品は不安と不条理に満ちている。その世界は日常をはなれ、およそ現実味のないものなのだが読んでいるとどうも落ち着かなくなってくる。描かれている世界が極端にシュールで不条理なのに、妙にリアルに感じられるのだ。それは彼の描く世界…