読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2026-05-01から1ヶ月間の記事一覧

松本清張「野盗伝奇」

清張のスリリングな名短編「地方紙を買う女」にでてきたのが本書なのです。さわりはこんな感じね。 山梨県の地方紙『甲信新聞』に「野盗伝奇」を連載している作家の杉本隆治は、東京に住む潮田芳子という女性が「野盗伝奇が面白そうだから貴紙を読んでみたい…

ベルナール・ノエル「聖餐城」生田耕作コレクション2

ゴールデンウィーク、岡崎公園にあるみやこめっせでは恒例の古本市がひらかれる。タイミングがあえば行くようにしている。市内の古本屋さんがワンフロアにそれぞれブースを設け出店していて、見てまわるだけでもニ、三時間かかる。今年は掘り出し物があって…

イアン・ロジャーズ「魔都シカモア」

怪物たちが跋扈する異世界へと通じる入口が突如出現する世界。それは『ポータル』と呼ばれ発見と同時に政府によって厳重に管理される.....のだが、漏れは生じる。異世界の怪物たちがこちらの世界に影響を及ぼし、ああだこうだとなるのかと思いきや、実際はち…

佐藤正午「事の次第」

七編の連作である。ある街で、そこに住む人々の不穏な日々が描かれる。登場人物がリンクし、出来事が表と裏から描かれて少しづつ全体の相関的な解像度が上がって行く。しかし、そこは佐藤正午ゆえすべてがスルッとすっきり霧が晴れるようにはいかないのであ…

セルジョ・トーファノ「おやつにキャベツ」

とーっても可愛い本なのであります。造りが素敵で、オシャレなのです。10編の小話が収録されていて、作者の手になるイラストと共に楽しくあっけなく読めてしまうのであります。たとえば、三本の足がある王様の話、いつも横を向いたままの王様の話、噂が空飛…