切りとった風景に馴染んで君が笑ってる
細められた目と、白い歯
軽く腕を組んで、自然に笑う君は
とても幸せそうだ
舞い落ちる桜の花びら
土塀に囲まれた狭い道
どうしてこんなところで写真を撮ったのだろう
どうしても思い出せない
やさしい笑顔をみせる君は
いまのぼくたちの境遇など知りもしない
未来に待ってる出来事に眉をひそめることもない
君の身の上話はみんな嘘だった
でも、君の語った嘘にぼくは魅了された
ベッドの上で、君の胸の上に頭を乗せ
君の話を聞くのが好きだった
君の鼓動を感じながら
目を閉じて
それが幸せだった
どうして、こんなところで写真を撮ったのだろう
いくら考えても思い出せない
震えてる
ぼくの心が震えてる