今回は7冊6作品。新刊は一冊も買ってない。そういう時もあるよね。っていうか、ほんと最近は欲しいと思って飛びつく本がないのだ。読みたいと思う本はそこそこあるのだけれど、手元において愛でたいと思える本がほんと少なくなってきた。本屋に行っても以前のように気軽に本を買うことがなくなり、何度も逡巡してやはりやめてしまうのだ。
そんな最近のぼくの目に飛び込んできたなんとも魅力的な本が「船乗りサムボディ最後の船旅(上下)」だった。これはぼくがピンチョンの次に難解だと勝手に思い込んでいる現代アメリカ文学の巨匠ジョン・バースの比較的最近の作品で日本で翻訳刊行されたのは1995年、いうまでもなくいまでは絶版だ。その昔、国書刊行会から出てた「やぎ少年ジャイルズ」と共に何度も買おうとして、手を出しかねていた本だった。それがふと立ちよった古本屋で一冊600円で売られていたのである。上下あわせて1200円、この本は当時一冊3200円で売られていたのである。ぼくが躊躇していた大きな要因だ。状態もすこぶる良好。このまま新刊書店に並べてもまったく遜色ない状態。
というわけで、迷うことなく購入してしまった次第。これは、ほんとうれしい。いつ読むかわからないけどね。その他の本は以下のとおり。
「はいつくばって慈悲を乞え」 ロジャー・スミス
「女ざかり」 丸谷才一
「たましくる」 堀川アサコ
「敵」 筒井康隆
「アジア新聞屋台村」 高野秀行
最初にことわったとおり新刊は一冊も購入していない。これではいけない、出版業界にまったく貢献していないと危機感をおぼえてもやっぱり買いたいと思える本はなかったのだ。おそらく春には皆川博子の「双頭のバビロン」が刊行されるだろう。ぼくが一番関心をもっているのはその一冊のみなのだ。それは必ず購入しようと思っている。ああ、はやく春がきて、桜が咲かないかなあ。そうすれば、皆川本が手にはいるのに。