毎日新聞の日曜のお楽しみ『今週の本棚』で「この人・この3冊」というコーナーがあるのだが、今回は佐藤亜紀選で皆川博子の3冊が選ばれていて狂喜した。ぼくにとってこの二人の組み合わせは最強だ。
まるで夢のようだと貪るように読んだのだが、佐藤亜紀の選んだのは
1「総統の子ら」
2「聖餐城」
3「開かせていただき光栄です」
の3冊だった。佐藤女史によると、皆川博子の恐ろしいところは体力だという。ここ最近のヨーロッパを舞台にした作品はほとんど巨人的な作品ばかりで、三十代の作家でもへばってしまうのではないかとのこと。ぼくも「総統の子ら」以外は読んだのだが、「聖餐城」などはほんとよくこんな時代選んだなと舌を巻いたものだった。佐藤女史も書いておられるが、この三十年戦争の時代を描いた日本の作家って他にいなかったんじゃない?書くとすれば、佐藤亜紀本人か佐藤賢一ぐらいじゃないだろうか。最新作の「開かせていただき光栄です」にしても、非常に軽やかに描かれているが、これは並の作家には真似のできない作品だと読んだ人なら納得できるだろう。
あの佐藤亜紀が恐ろしいと言う作家、皆川博子。いや、ほんとこの人と同時代に生きられてよかったと心の底から思える作家だ。ぼくにとっては山田風太郎と並んで小説の神様と心底いえるのはこの人だけなのである。
というわけで今回の古本購入記なのだが、三冊、二作品のみ。タイトルは以下のとおり。
「のりたまと煙突」 星野博美
「造花の蜜(上下)」 連城三紀彦
最近ほんと古本屋に行っても、ときめく本に出会うことがなくなったのである。これはとても悲しいことで、そうなるとあまり古本屋にも行かなくなってきた。でも探している本はあるんだけどね。だから古本屋で買う本といえば新刊落ちばかり。あの古本屋で目移りしてた頃が懐かしいな。
新刊本はといえば
「ゴーストハント6 海からくるもの」 小野不由美
「装飾庭園殺人事件」 ジェフ・ニコルスン
「殺す」 J・G・バラード
の三冊。「殺す」は『本が好き!』の献本なので実質二冊ですね。「装飾庭園殺人事件」は今読んでいる最中。なかなかの変態っぷりですぞ。
というわけで、今回はこのへんで。