ぼくを殴ったね。
とってもとっても痛かったよ。
いじめるのが楽しいかい?
痛めつけるのは楽しいかい?
目が怖かったよ。
いつもと違う光が映っていたよ。
ぼくも、小さい頃よく虫を殺していたんだ。
あのときのぼくも、君みたいな目をしていたのかな。
あの子が見てたよ。
ぼくが殴られているところを、見ていたよ。
でも、なんだかギラギラした目だったんだ。
ぼくは、それを見て怖くなったよ。
まえに道で偶然出会ったとき、あの子はとてもきれいな目をしていたのに。
ぼくは、それを見てあの子のことが好きになったのに。
なのに、いまのあの子の目は興奮でギラギラしてたんだよ。
ねえ、どうして人は誰かをいじめるの?
どうして、人を傷つけるの?
世の中がうまくまわっていくために、誰かが殴られなきゃならないの?
ねえ、どうして人は誰かを生贄にするの?
そうしなきゃ、人間は生きていけないの?
ねえ、どうしてあの子は殴られるぼくを見て、あんなにギラギラしているの?