通り雨が細く音をひそめて
山の木々からため息がもれた
少し離れたところにいたぼくは
ゆっくり煙草を楽しんでいた
立ち上る煙を目で追っていると
視線の先に青空が広がった
まるでカーテンが開くみたいに
青空が広がった
そんなことに心がさわぐ
なんでもないことに心がさわぐ
めまぐるしく過ぎていく時間が
いまだけ止まった
解き放たれる心
ジリジリと肌に噛みつく陽射しと共に
頬を伝う汗と共に
さわいだ心がながれだす
景色に縫いとめられた身体から
ぼくの心がながれだし
それは大きな川となって
大地の上を流れていく
なんて気持ちがいいんだろう
流れるぼくは
ぼんやり考える
どうして、昨日あんなことしてしまったんだろうと