読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

夏の午後に

通り雨が細く音をひそめて

山の木々からため息がもれた

少し離れたところにいたぼくは

ゆっくり煙草を楽しんでいた

立ち上る煙を目で追っていると

視線の先に青空が広がった

まるでカーテンが開くみたいに

青空が広がった

そんなことに心がさわぐ

なんでもないことに心がさわぐ

めまぐるしく過ぎていく時間が

いまだけ止まった

解き放たれる心

ジリジリと肌に噛みつく陽射しと共に

頬を伝う汗と共に

さわいだ心がながれだす

景色に縫いとめられた身体から

ぼくの心がながれだし

それは大きな川となって

大地の上を流れていく

なんて気持ちがいいんだろう

流れるぼくは

ぼんやり考える

どうして、昨日あんなことしてしまったんだろうと