読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

マリオ・バルガス=リョサ「継母礼讃」

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神話と伝説に彩られた淫らで好色な物語である。

穢れを知らない無垢な天使と肉感的な美の象徴であるヴィーナスが出会えばどうなるのか?

リョサはあらゆる角度からイメージを呼び起こし、様々な模倣を加えラテンの国で起こったフランス的な

物語を描いている。

悲劇にもかかわらず物語には暗さがない。底辺に流れているリズムはあくまで明るい。そして軽い。

これはリョサがしかけた言葉のイメージがそうさせているのであろう。

これは官能小説なのか?

そうでもあるし、そうでもない。読み手の許容力次第で変幻自在に姿を変える小説なのである。

本書は以前福武から刊行されていた。みなさんもご存知のとおり福武の本は絶版状態である。

この本は復刊して欲しいものだ。