読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

挫折本について

 今日まで車中本としてディックの「暗闇のスキャナー」を読んでいたのだが、この後期の傑作といわれ宮部みゆきも絶賛している本をこれ以上読み続けることができなくなってしまった。

 まったくおもしろくないのである。この本、キアヌ・リーヴス主演で映画化も決まり、昨年浅倉久志氏の新訳で早川から原題そのままの「スキャナー・ダークリー」というタイトルで出たくらいだから、さぞかし楽しませてもらえるんだろうと期待かけていたのだが、どうも裏目に出たようだ。

 こんなジャンキーの日常ばかり描いてあるだけじゃ、ぜんぜん興がのらない。挫折本決定だ^^。

  今回のように有名な作品で、挫折した本は結構ある。

 古くはエーコの「薔薇の名前」。これは上巻読み終えた段階で挫折。まったくおもしろくなかった。

 どこがおもしろいのかまったくわからなかった^^。

 エルロイ「LAコンフィデンシャル」もそうだった。これは文体にやられてしまった。「ブラック・ダリア」のときはそんなに気にならなかったのに、この本はダメだった。

 クロウリー「リトル・ビッグ」もダメだった。世界幻想文学大賞を受賞したファンタジーの傑作というふれこみだったが、これもぜんぜんおもしろくならないので上巻で挫折。

 SFではハル・クレメント「重力の使命」が期待ハズレで挫折。

 話題作だったケリー・リンクスペシャリストの帽子」も、合わなかった^^。

 ストラウヴ「ミスターⅩ」も、ぜんぜん盛り上がらないので、上巻で断念。

 チャールズ・パリサー「五輪の薔薇」も上巻で挫折。

 ダニエル・キイス「眠り姫」も、予想に反して興醒め^^。

 クライトンのタイムトラベル物「タイムライン」も、まどろっこしくて読むのが苦痛だった。

 日本の大作では福井晴敏亡国のイージス」がこれにあたる。これは早々と上巻の半ばで見切りをつけた^^。

 と、思い出すだけでもこれだけ挫折本がある。ビッグネームも多いな。そのときの気分も幾分関係してるのかもしれないが、一度挫折した本はまず二度と読むことはない。たぶん挫折したということがトラウマになっているのだろう^^。

 どうですか?みなさんも挫折した本ありますか?