読書の愉楽

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張 平 「十面埋伏」

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期待通りではなかった。でも最後まで読み通せたのだからおもしろくないわけではなかった。

読んでる間気になったことがあった。これは中国の民族的な慣習なのか、それとも風土がかもし出す風潮なのかわからないが、登場人物がみな一様に熱いのである。みんなとても熱くてやたらと涙を流す。これが少々鼻についた。別に自分がクールな人間だなんて思ってないが、出てくる人がみんなスクール・ウォーズのあの熱血教師みたいな人ばかりだったら、ちょっと辟易してしまう(笑)。

話の展開も後半カットバックが多用され、なかなかスピーディな展開になって興をつないだが、全体的に冗長な印象を受ける。Vシネみたいな印象だった。

タイトルの十面埋伏とは、直訳的に解釈すれば自分の周りすべてが待ち伏せ状態というところか。四面楚歌とおなじ意味合いだが、それよりも陰湿で手探り的な状態を意味する。

巨悪に立ち向かう孤高のヒーローという図式が単純に当てはまるわけではないが、それでも日本の社会派の作品と比べて見劣りするのは否めない。

なお本書はあのチャン・イーモウ監督の「十面埋伏(邦題LOVERS)」とはまったく関係ない。

同題だが、全然別物である。