保守(ほし)ようこ35歳、目立たず幸せにを信条とする三十路独身女性。ある日突然彼女は魔法少女に選ばれてしまう。キャピキャピの女の子がキラキラになって活躍するあの魔法少女を三十路の女性がこなしていくのはかなり辛い。だって、お肌も体型もあの黄金時代の若かりし頃とは、まるで違っているのだもの。
電車で帰宅途中に魔法少女になったようこは、自分が身につけているあり得ない服装に人生終了を予感し、トイレに駆け込み改めて鏡越しに自分を見て、個室に入って嘔吐してしまう。電車の中で、どこかから聞こえてきた声に返事したらいきなりこんな姿になってしまった。そんなことがあるわけない、これは夢だ。うん、絶対にそうだ、こんなことが現実にあってたまるものか。そんなこと許されないし、許さない。必死に現実逃避しようとするようこの耳にまたあの声が聞こえてくる。
「それは違ううさよ、これは夢じゃないうさ」
日朝のアニメでみたことあるキャラのあの感じ。恥ずかしげもなくうさって言ってるし、このトイレの個室のドアの向こうにいるヤツは、多分ウサギの妖精みたいなのだ。あ、ドアの上にぬいぐるみの手にたいなのがかかった!長い耳も見えてるやっぱりウサギだ!いやだ!こんな姿見られたくない!
「待って!絶対後悔するので見ないで下さい!」
「しないうさ!絶対後悔なんかしないうさ!だってうさは、ずっとこの瞬間を待っていたうさ!!」
そう言ってドアの上から顔を出し、ようこを目にして引き攣るうさ。
「…因みにご年齢は?」
「あの、それは、その、さ、35です」
「ですよね…」あきらかにどんよりと沈みこむうさ。耳ひきちぎってやろうか!
なんの手違いか、そうやって魔法少女に抜擢されたようこの苦難の日々がこうして始まる。リアル30代の強制マジカルライフ。いや、ようこ自身決して容姿が悪いわけではないのだ。ただ彼女は35、魔法少女をやる歳ではない。どちらかというと魔女だ。世間体を気にし、なにより体裁を最も大事と考えるようこにとって、それからの日々は地獄と化す。パートナーの妖精うさも自分の保身第一のなりふり構わないクズ妖精だし笑。
だから本書はおもろい。いてはいけない場所にいることになってしまった困惑。それを見つめる世間の眼。敵も出てきて、その敵もようこを見て気をつかってきたりするし。この一巻目でそういう世界が構築され、読者の中に定着する。さて、これから先の展開に期待だ。他人事だから笑えるこのシチュエーションコメディはどう話がふくらんでいくのか、楽しみ。
電車で帰宅途中に魔法少女になったようこは、自分が身につけているあり得ない服装に人生終了を予感し、トイレに駆け込み改めて鏡越しに自分を見て、個室に入って嘔吐してしまう。電車の中で、どこかから聞こえてきた声に返事したらいきなりこんな姿になってしまった。そんなことがあるわけない、これは夢だ。うん、絶対にそうだ、こんなことが現実にあってたまるものか。そんなこと許されないし、許さない。必死に現実逃避しようとするようこの耳にまたあの声が聞こえてくる。
「それは違ううさよ、これは夢じゃないうさ」
日朝のアニメでみたことあるキャラのあの感じ。恥ずかしげもなくうさって言ってるし、このトイレの個室のドアの向こうにいるヤツは、多分ウサギの妖精みたいなのだ。あ、ドアの上にぬいぐるみの手にたいなのがかかった!長い耳も見えてるやっぱりウサギだ!いやだ!こんな姿見られたくない!
「待って!絶対後悔するので見ないで下さい!」
「しないうさ!絶対後悔なんかしないうさ!だってうさは、ずっとこの瞬間を待っていたうさ!!」
そう言ってドアの上から顔を出し、ようこを目にして引き攣るうさ。
「…因みにご年齢は?」
「あの、それは、その、さ、35です」
「ですよね…」あきらかにどんよりと沈みこむうさ。耳ひきちぎってやろうか!
なんの手違いか、そうやって魔法少女に抜擢されたようこの苦難の日々がこうして始まる。リアル30代の強制マジカルライフ。いや、ようこ自身決して容姿が悪いわけではないのだ。ただ彼女は35、魔法少女をやる歳ではない。どちらかというと魔女だ。世間体を気にし、なにより体裁を最も大事と考えるようこにとって、それからの日々は地獄と化す。パートナーの妖精うさも自分の保身第一のなりふり構わないクズ妖精だし笑。
だから本書はおもろい。いてはいけない場所にいることになってしまった困惑。それを見つめる世間の眼。敵も出てきて、その敵もようこを見て気をつかってきたりするし。この一巻目でそういう世界が構築され、読者の中に定着する。さて、これから先の展開に期待だ。他人事だから笑えるこのシチュエーションコメディはどう話がふくらんでいくのか、楽しみ。