昨年刊行されていた二分冊短篇集のⅡのほうであります。二冊一緒に購入したはずなのに、Ⅰの「マイル81」がまったく見当たらないので、本書から読んだんだけど、これはどっちから読んでもまったくモーマンタイ。
各編にキング自身のコメントがついていて、作品の成立過程や思うところなんかが綴られているのがご愛敬。自作について語るって、なかなかこっぱづかしい行為だと思うんだけど、キングくらいのベテランになると、フランクに肩の力を抜いて書いているのが感じられて、いいよね。
で内容なのだが、これは良くも悪くもなしってところかな。さほど印象に残る作品もないけど、読んでつまらないものはない。気軽に読める短編集ってとこかな。収録作は以下のとおり
「ハーマン・ウォークはいまだ健在」
「具合が悪い」
「鉄壁ビリー」
「ミスター・ヤミー」
「トミー」
「苦悶の小さき緑色の神」
「異世界バス」
「死亡記事」
「酔いどれ花火」
「夏の雷鳴」
以上10作品。いつものホラーもあるし、野球もあるし、ノンホラーもあるし、SFもあるし、ユーモア小説まである。バラエティーに富んでいるのは間違いない。中でも興味深いのはめずらしくハッピー・エンドで終わる愉快な「酔いどれ花火」かな。ヒートアップも予想つくし、最後は大惨事になるんだろうとわかっているんだけど、このラストは思いつかなかった。映像化が企画されているみたいだけど、実現したらぜひ観てみたい。
あとは、まあ、そんなもんかな。ってどんなもんだよ!