読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

4月の読書メーター

2012年4月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2974ページ
ナイス数:34ナイス

■地上の飯―皿めぐり航海記
ちょっと取っ付きにくい文章なのだが内容は面白かった。期待してたほど食に関する情報はなかったが、所々挿入される海外文学への言及はよかった。
読了日:04月29日 著者:中村 和恵
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18565371

■消失グラデーション
これだけ鮮やかにヤラれたと感じたのは「十角館の殺人」以来。設定云々はこの際目をつぶろう。だってこの真相はそれほどの衝撃なのだから。
読了日:04月27日 著者:長沢 樹
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18500838

ホーンズ 角 (小学館文庫)
短編は息子の方がうまかったが、やはり長編は親父さんのほうがうまいみたい。それと本の内容とは別に間違いの記述が多いのが気になった。677ページの6行目の最後の文字は「欠陥」じゃなくて「血管」です。
読了日:04月22日 著者:ジョー ヒル
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18372602

■長英逃亡〈上〉 (新潮文庫)
山田風太郎の短編「伝馬町から今晩は」で描かれていた長英は極悪非道の大悪人だったが、史実に添うといたって人間味あふれる真逆の人物となることに少し物足りなさを感じた。こちらが本当の姿だとわかっていても、やはり面白さでいけば風太郎に軍配があがってしまうんだな。
読了日:04月22日 著者:吉村 昭
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18368137

■外天楼 (KCデラックス)
とてもゆるい縛りの完全収束で、ラストに至ってすべての意味がつながりきれいに円環が閉じることになる。もしかすると、これって結構つなわたり的に話が出来上がっていったのかなと思わせる雰囲気があった。でも、面白かったからこれでいいのである。ただ一つ悪魔騎士団のミルダの胸のドクロの意味だけがモヤモヤしたまま残ってしまった。
読了日:04月21日 著者:石黒 正数
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18343707

■密猟者たち (創元コンテンポラリ)
素晴らしい短編集。特に長めの作品の完成度ときたら、熟練と新鮮が巧みにブレンドされた逸品だった。
読了日:04月08日 著者:トム フランクリン
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/18033996

■魔術師〈上〉 (河出文庫)
迷宮的なかけひきと策略と思惑と疑惑の物語。いったい何がどうなって、誰が何者なのか?暗闇の中にまだ誰か隠れているのか?物語はどこを目指しているのか?
読了日:04月05日 著者:ジョン ファウルズ
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17976263

The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)
スタイリッシュな中に、生々しい生体のホログラムが投影されている眩暈にも似た倒錯感。最新鋭の科学と汚泥が混在するかのような困惑。それらがもたらす質感は異常なくらい高純度だ。見たこともない世界なのに懐かしさをともなう気がするのは、ぼくだけじゃないはず。
読了日:04月01日 著者:伊藤 計劃
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/17870812