読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

幼い頃に観た映像について

幼い頃の記憶はアヤフヤなもので、それが本当にあったことなのか、もしくは思い出の中で変貌を遂げた まったくの別物なのか、それは誰にもわからない。しかし、どんな形にせよ頭の中に残っている記憶は確 かにあって、それが不意によみがえって驚くことが侭…

キアラン・カーソン「シャムロック・ティー」

「本が好き!」の献本である。 カーソンの小説としては先に「琥珀捕り」という驚異に満ちた物語があったのだがこれは読んでいない。 読みそびれてしまったのだ。おそらく感触としては本書と似通った感じなのではないかと思われる。 この人の作品のおもしろい…

カーレド・ホッセイニ「君のためなら千回でも」

「本が好き!」の献本である。 2007年の暮れに献本いただいてたのに、いままで読まずにおいてあった。一度は手に取ったのだが、どうも入り込めなかったのだ。本書はアフガニスタン生まれの作家カーレド・ホッセイニのデビュー作である。我々日本人には縁…

『ハラゲメシ』

『ハラゲメシ』を食いに行こうと友人に誘われて、レンタカーを借りて一緒に出かけることになった。しかし、いったい『ハラゲメシ』って何なのかがわからない。友人に聞いても、まあいいからと言ってまともに取り合ってくれない。しかたなくぼくは友人の運転…

鈴木光司「エッジ(上下)」

鈴木光司は「リング」のシリーズで燃え尽きたと思っていたので、「バースデイ」以降はまったく読んでなかったのだが、今回この「エッジ」はなんとなく気になって久方ぶりに読んでみようかと思った。 読んでみればわかるが、本書はホラーではない。仕組みが理…

「料理番組について」

こういってはなんだが、ぼくは結構料理が好きなのだ。でも本格的なのは、元手もかかるしなかなかでき ない。だからぼくは家にある材料を使って簡単においしいものを作ることに無上の喜びを感じるのであ る。特にレシピがあるわけでなくその時その時で組み合…

ジャック・ケッチャム「閉店時間  ケッチャム中篇集」

本書はおもしろかった。中篇集ということで四篇収録されているのだが、それぞれバラエティに富んで飽きさせない。だがみなさん、くれぐれも注意して頂きたい。本書には猛毒が含まれております。このわたくしめが、本書の中の一篇を読んで激情のあまり嗚咽を…

ジャック・ルーボー「麗しのオルタンス」

「本が好き!」の献本である。 やっぱりフランス産には少し抵抗あるんだなぁ。本書の眼目である少々実験的ともいえる作者のたくらみは、日本でいえば筒井康隆あたりがやってるような試みなのだが、これがどうもしっくりこなかった。 物語の途中で挿入される…

ファンガスとの旅

ファンガスが言うには『夜が静かなのは、神が便所に行ってるからだ』ということらしい。 そんなこと言ってると、どこかから洩れて万にひとつでも魔耶王の耳でも入ったなら首が飛んでしまうぞと脅したって聞きやしない。あの殺戮王が無神論者だってことぐらい…

古本購入記 2009年1月度

というわけで、まだ古本購入は続いているのである。先々月のセーブ懸念もなんのその、そういった愁傷 な言い訳は、そのときだけの思い込みみたいなもので、やはり月に何度かは古本屋に出向かないと堅気の 暮らしは続けられないのである。古本屋の一角で充血…