読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

BRUTUS(ブルータス) 2023年 9月1日号 No.991 『怖いもの見たさ。』

BRUTUS(ブルータス) 2023年 9月1日号 No.991[怖いもの見たさ。]

 普段、雑誌って買わないんだよねー。でも、これは買っちゃう。ほとんど丸々一冊ホラーガイドになってるっていうから、じっくり読んでみたいもんね。

 で、期待に違わずなかなかおもしろかったわけ。ガイドとして紹介されているのは、映画、ドラマ、アニメ、小説、漫画、ゲーム、怪談、お化け屋敷、YouTubeとさまざまなジャンルを網羅していて、各ジャンルのエキスパート達が1.0怖から5.0怖に分けて444の作品を紹介してくれている。ま、小説に関してはもともと好きなジャンルだからさほど目新しさはなかったし予想の範囲内だったんだけど、それでも何冊かはチェックしたし、映画もそこそこ知っている作品が多かったのだが、それ以外のジャンルについては発見また発見の連続で、気になった漫画など、現在では手に入らない作品もあってもどかしい思いをした。

 ホラーは、興味あるけどそこまでのマニアではないぼくにとって恰好の指南書だ。映像作品などノーチェックも多かったし、知ってはいてもスルーしてたのもあって、本書を読みながら映画の「ドーン・オブ・ザ・デッド」とかアニメの「整形水」とか雨穴の「変なA I」などを観て楽しんだ。日本昔ばなしの「とうせん坊」なんてほんとトラウマ回だよね。「飯降山」は以前から知っていたけど、あれとはまた違った衝撃だった。

 ぼく自身の経験でいえば、ずぅーっと昔に観た寺山修司の「田園に死す」という映画がトラウマ級でいまだに映像が焼き付いている。でも何より戦慄したのはラストで男の人が叫ぶところだったのだが。子どもの頃に観たトラウマ映画がもう一つ「未来惑星ザルドス」という映画なのだがご存知?これ、ぼくが子どもの頃にしょっちゅうテレビでやっていた記憶があるのだが、ショーン・コネリーシャーロット・ランプリングそっちのけで、空に浮かぶあの巨大神像のビジュアルがもうトラウマ必須。あんなの子どもが観ちゃいかんよ!

 というわけで、封印されし曰く付きの怪談も袋綴じでついていて、頁の端には、稲川淳二のつぶやき怪談がついているし、なかなかお買い得の一冊なのであります。雑誌だから、足はやいよ。気になった方ははやく手にいれてねー。