読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

「十四人の識者が選ぶ 本当に面白いミステリ・ガイド」

十四人の識者が選ぶ 本当に面白いミステリ・ガイド (ele-king books)

 

 本当にミステリというジャンルに疎い人、もしくはこれからこのジャンルに飛び込もうとしている人には大いに得るものがあるかも知れない。

 ここで紹介されているのはもう古典となっている海外と国内の作品、これからを担う海外と国内の作品。その両方に挟まれる形で抜け落ちてしまった1960年代から2010年代までの間は、大きな括りで各人がコラムを書いている。それと「われら闇より天を見る」のクリス・ウィタカーと月村了衞のインタビューが収められている。

 最初に書いたようにここで紹介されているものは、ミステリをかじっている人にとっては、ことさら目新しいものではない。新鋭のミステリ作家を紹介するパートはさすがに追いつけていないから未読の作家も多かったが、それでも名前は知っているし、発見の感動はなかった。でも、何冊かはチェックしたけどね。そう思えば、まだこの読書の大海に漕ぎ出したばかりの高校生だった頃に出会った文春文庫の「東西ミステリーベスト100」を読んだ時の感動と興奮はもう二度と味わえないものなんだなと感慨深い。この本は何回読んだことか。目次に購入予定、積読、読了と印をつけて制覇するぞと目を輝かしていたものだ。中でも海外ミステリーだけ101位から198位までのタイトルのみ紹介されている部分は内容も定かでないゆえ、妄想の広がること広がること。好みからいえばベスト100以内の作品よりこの圏外のミステリのほうがマイベストなんだけどね。だって「エヴァ・ライカーの記憶」も「超音速漂流」も「緑は危険」も「警察署長」も「星を継ぐもの」もこの圏外だったんだからね。

 それはさておき。本書は薄い本なのですぐ読める。興味ある方は手にとっていただきたい。ぼく的には月村了衞氏のインタビューがなかなか良かったと思う。氏の作品への思い、影響を受けた作品、小説を書く信条などが伺えておもしろかった。
 それにしても最近は、本以外にもいろいろ時間をとられてなかなか読書時間がとれなくなってしまった。まして老眼や集中力の低下なんかが読書の邪魔をする。まったく!ままならぬものよ!