読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

松浦理英子「親指Pの修業時代(上下)」

女子大生の右足の親指がPになっちゃうのである。まあ、なんて大胆な設定!Pって何?なんて野暮な質問しちゃいけませんよ。Pってのは、もちろんペニスのことです。なんで、そんなとこがPになっちゃうのかはよくわからないのだが、とにかく彼女は刺激すれ…

コンスタン「アドルフ」

まず、訳が悪い。こんな回りくどい言い回しする?かまいたちの漫才じゃないんだから、理解に苦しむ言い回しは、やめていただきたい!よくよく調べてみれば、光文社古典文庫でも出てるじゃないの!そっちで読めばよかった。 しかし、ここに登場するアドルフは…

サド「恋の罪」

サドのね、適正なほうの小説集なんですよ。あの「悪徳の栄え」とか「ソドム百二十日」とかの怪物級のじゃなくて、もっと普通の展開の小説というわけ。でもね、これが普通じゃないんだな。現代の基準からいえば(基準て、もっぱらぼくの感覚なんだけどね)か…

櫛木理宇「虜囚の犬」

少年が、ホテルで刺殺される。彼の身辺を調べると自宅の地下室に女性を監禁していたことが判明する。しかも、彼は複数の女性を監禁し、鎖で繋ぎ風呂にも入れず糞便まみれにしてすきなときに凌辱し先に死んだ女性をミンチにしてドッグフードに混ぜ与えていた…

櫛木理宇「避雷針の夏」

印象はよくない。閉鎖的環境、田舎特有の詮索クセ、旧弊な因習。本書を読めば、人と関わることの煩わしさがこれでもかという感じでわからせてくれる。しかし、それを楽しむほどにストーリーがおもしろくないから、始末が悪い。 都会から、一念発起して再生を…

「キプリング短編集」

やはり手軽にその作家の作風や傾向を知るには、短編集が一番なのであります。 キプリングといえば、インドなんだけど、ディズニーの『ジャングル・ブック』は知っていても、なんだかわかったようなわからないような感じでしょ?でも、この短編集を読めばキプ…