読書の愉楽

本の紹介を中心にいろいろ書いております。

宮澤伊織「裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト」

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 というわけで、早速第二弾読んじゃった。

 読みやすいからスイスイ読めちゃうんだよね。で、今回もネットロアネタが色々出てきて楽しませてもらいました。でもね、前回シリーズ第一弾の感想書いたとき、主人公二人のことにまったく触れてなかったんだよね。なんか性急にネットロアの怖さばっかり書いて、そのまま終えちゃったんで今回はこのシリーズに登場する人たちについて書いてみようと思う。


 もともと偶然見つけた裏世界への入り口を使って出入りしていた紙越空魚(かみこしそらお)は、そこで命を落としそうになっているところを仁科鳥子(にしなとりこ)に助けられる。この二人、予想以上に壮絶な過去があって驚くのだけど、そのへんの事情は本編で確認していただきたい。空魚は過去の出来事から他者との関わりを出来るだけもちたくないと思っている。しかし、美しい鳥子と出会って不思議な彼女の魅力にとらわれ行動を共にすることになる。鳥子は、裏世界に消えたかつての家庭教師であり、友人でもある閏間冴月(うるまさつき)を探しもとめている。この三角関係が本シリーズのミソ。世間も作者も言っている百合要素だね。ぼく的には、この部分はあまり重要視していないし、期待もない。空魚と鳥子が喧嘩したり仲良くしたりして、今の関係を良好に続けていってくれればそれでいい。


で、回を追うごとに仲間も増え、徐々に世界の理があきらかになってゆく。裏世界を探検する回数が増えるごとに、その地の地図を作成したりして、事実関係を確認して行く。


 今回は、副題にもあるとおり、浜辺のリゾートが出てくるのだが、そこで彼女たちが体験する現象は、数々の現象が畳み掛けるように起こって、なかなかヘビィな展開となる。怖い怖い。彼女たちも、正気を失いかけるしね。


  とにかく、このシリーズはおもしろい。久しぶりにはまっちゃったな。