前回、大変好評だったので(笑)、また山田忍法帖コレクションを紹介したいと思います^^。
今回は後期に出版された角川文庫の中から、独断と偏見でぼくの好きな表紙をセレクトしていきたいと思います。
まずは「外道忍法帖」。
どうですか?この表紙に描かれている女性は、風太郎忍法帖に登場する女性の中でも1,2を争ういい女、長崎の遊女伽羅という女性です。ぼくはこの表紙を見て彼女に惚れてしまいました^^。佐伯画伯ほんとにいい仕事するなあ。
次は「軍艦忍法帖」。
これは、幕末が舞台のちょっと異色の忍法帖です。話の出来もそんなに良くない^^。これは、おそらく今後も復刊されることはないんじゃないでしょうか。
どんどんいきましょうか。
お次は節操ないくらいの描きこみがうれしくなってしまう「忍法剣士伝」。
う~ん、楽しいなあ。とんでもない期待を抱かせる表紙ではありませんか^^。しかし内容は、それほどでもないんですよね。「魔界転生」みたいに楽しませてくれるのかなと思ってたら、そうでもなかった^^。
では、次「秘戯書争奪」。
これは、なかなかおもしろかった。「医心方」という天下の奇書をめぐって甲賀と伊賀の壮絶な争奪戦が繰り広げられます。でも、その理由がおもしろいじゃありませんか。こういうことをクソまじめに語る風太郎のセンスに脱帽するんですが、その理由がなんと13代将軍の家定が愚鈍なために「子供のつくり方」を知らないからというんですからナンセンスにもほどがあります^^。しかし、それをちゃんと物語として完結させるんだから、風太郎の手腕恐るべしです。
最後は忍法帖ではないんですが紹介しておきましょう。
「おんな牢秘抄」
これは、風太郎のおきまりのパターンで物語が進められていく風太郎版捕物帳ですね。短編形式で毎回ひとつの事件が取り上げられ、それを主人公の姫君お竜が見事に解決していきます。この姫君の素性にもちょっとしたサプライズがあるのですが、あらためて舌を巻いてしまうのが本書の構成のうまさです。なんの関係もない六つの事件が最後になってさらに大きな事件に見事に集約されていくんです。
最後なので本書の裏表紙ものせておきましょうか。
なんとも内容を期待させる絵ではありませんか^^。
というわけで性懲りもなくまたやってしまいましたが、また反響がよければ今度は短編集特集をしてみたいと思います^^。